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Stage 『子午線の祀り』

8/3(木) 20:05配信

中央公論

世田谷パブリックシアター
開場20周年記念公演
『子午線の祀り』

 木下順二が『平家物語』を現代劇に移し替えた『子午線の祀り』は、能・狂言、歌舞伎、現代劇とさまざまなジャンルを超えて創り上げる不朽の名作として知られている。発表された一九七八年に読売文学賞を受賞したこの作品は、翌年の初演以来、とりわけ日本語の美しさを引き立たせる「群読」という手法によって、演劇史にその特異な地位を築いてきた。初演時の総合演出は宇野重吉だ。
 それから三八年。世田谷パブリックシアター開場二〇周年記念公演として、同劇場芸術監督である野村萬斎が自ら演出・主演を務める。萬斎はすでに一九九九年と二〇〇四年に主役の平知盛役を演じたが、ついに念願の演出に挑む。
 壇ノ浦の戦いで平家滅亡の様を見届けると、「見るべき程のことは見つ」と言い放って海中に身を投じた平知盛。彼の心中にはどのような思いがあったのか。
 兄・平宗盛(河原崎國太郎)に代わって平家軍を指揮する新中納言知盛(萬斎)は、一ノ谷の戦いで源義経(成河)の奇襲に敗れ、今、屋島の戦いで窮地に立たされている。知盛は和平のために舞姫・影身の内侍(若村麻由美)を密使として京へ派遣するが、平家の主戦派の阿波民部重能(村田雄浩)の画策により知盛は決戦の道を選ぶ。一方、源頼朝から遣わされた目付役の梶原景時(今井朋彦)と主導権を争いながら、義経も壇ノ浦の戦いに臨む。戦を前にした知盛に、今は亡き影身の面影が語りかける。そして、子午線を月が通過したそのとき、運命が決するのだ。初演から変わらない武満徹の音楽も魅力だ。

7月1日(土)~23日(日)

河合祥一郎 東京大学教授

最終更新:8/3(木) 20:05
中央公論

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