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スマートスピーカーの先陣を切ったLINEの『WAVE』は買いか?

8/3(木) 7:20配信

@DIME

 スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回はLINEのスマートスピーカー「WAVE」について話し合います。

【写真】スマートスピーカーの先陣を切ったLINEの『WAVE』は買いか?

■LINEのスマートスピーカー「WAVE」をどう見るか

房野氏:LINEの新戦略発表会でスマートスピーカーの「WAVE」がお披露目され、7月14日から先行体験版の予約が開始しました。WAVEについて、どう思われますか。

石川氏:LINEがうまいなと思ったのは、とにかく早く出すこと。そこに徹した。普通、あんなスピーカーを2台も3台も買わない。リビングにWAVEを置いて、寝室にGoogle Homeを置いて、台所にHomePodを置く、みたいなことはあり得ないと思うので、だったら最初に出して場所を押さえる。以前、ソニーの平井さん(ソニー 代表執行役 社長兼CEO 平井一夫氏)が、ウェアラブルデバイスは着ける場所が限られるから、不動産と同じで最初に押さえたもの勝ちだといっていた。結局、ソニーは押さえられなかったけれど、それと同じことがスマートスピーカーでも起こる。だから、いち早く出して、しかも最初は全機能は載せず、音楽にだけ対応するのは非常にうまい。

石野氏:しかも安いんですよね、先行体験版は1万円。アップデートで機能を同じにしてくれるなら、1万円で買っておいた方がいいということになる。あまりモノを売ったことがない会社なのに、うまいと思った。

石川氏:でも、音質が悪いんだろうな。

石野氏:あと、Qualcommのチップが載っているのに驚きました。

石川氏:APQ8009(クアッドコアA7、1.3GHz)。

石野氏:モデムはいらないから、アプリケーションチップが載っているってことか。

房野氏:本体はどこが作っているんでしょうね。

石野氏:どこかに出していると思うんですが。大手じゃないと思うけど。

石川氏:台湾あたりのメーカーだと思う。

石野氏:OEM、ODMがあるので、そこに出しているとは思うんですけど。発表会で見た限りだと、そこそこ認識していて、しゃべりもまあまあ自然だったし、これでいいのかなと思ったんですけど、LINEのトークを読み上げられるのは困るなと。読み上げ機能はいらない。

房野氏:サービスの会社がハードウェアを作る場合、品質管理は大丈夫でしょうか。

法林氏:ハードウェアを担当するプロダクトマネージャーがいるはずなので、あとはいかに信頼できるOEM、ODMを捕まえられるかだけ。ちゃんとした担当者だったら大丈夫。さすがに経験者を使っていると思う。ずぶの素人で商品を作ることはできないと思うんですよ。LINE側の担当者が素人だったら、今みたいな製品はできてこないと思う。

石川氏:ただ、ああいった企業がモノを作って成功した例は、過去にほとんどない。結構大変だと思う。あのGoogleですら、ね。

石野氏:Googleはアメリカであれだけいろんなもの売っているのに、日本にはChromecastしかない。

石野氏:LINEが、最初からソニーモバイルとかハードウェアの提携先を広げてきたところは、自分たちの領域をよく分かっている感じはします。

石川氏:でも、MWCのときはXperia Touchが対応するといっていたけれど、いつの間にかXperia Ear Open-styleになっていた。

石野氏:Xperia Touchが対応すると、LINEのトークが表示されてマズイってことに気がついたんじゃないですかね。パーソナルエージェントとして使うWAVEのコンセプトを考えると、Xperia Ear Open-styleがいいような気がしました。耳元だったらLINEを読み上げられてもいいし(笑) あと、LGを巻き込めば、CES(Consumer Electronics Show)で出ていたような“冷蔵庫Alexa“みたいなこともできるでしょうし。うまく巻き込んでいて、自分たちの領域をよくわかっているなという感じがしました。

房野氏:こういったデバイスがスピーカーというのは、なぜなんでしょう。

石川氏:ブームだからじゃないですか(笑)

石野氏:用途が分かりやすいし、音楽という強い引きがある。

法林氏:以前、石川君が説明した話があったけれど、アメリカは家が大きくて、居間を中心に音楽が流れている。だから音楽を流すサービス、Spotifyとかが流行ってきて、次の曲とか「◯◯を聴かせて」というときに、いちいち設定するのではなくて、音声で言ったことを解釈する機能があるといい。曲名が分からないときには、“落ち着いたジャズ“とか、そんな言い方をすれば選んで聴かせてくれる、みたいなものがベターでしょということになる。そのためのデバイスとしては、スピーカーが格好の材料という流れ。そこにAIが絡むのであれば、天気予報を読み上げてくれるといいだろうし、Androidベースだったらスケジュールも読みますとか。読み上げられたくない予定もあるだろうけど(笑) スピーカーの流れは音楽が鍵でしょうね。アメリカと日本のライフスタイルの違いは分からないけど、日本はテレビ色が強いと僕は思っている。BGM的にテレビが1日中ついている感じがするので、スピーカーじゃないような気もちょっとする。

■音声認識技術の高さが鍵になる

石川氏:Googleが強いのは、スマホで「OK Google」と話しかけて音声のデータが集まっているから。スマホはすごいユーザーが多い中で、その音声の対話のデータが膨大に集まって精度が上がっていく。AppleもSiriがあるから、みんなが話しかけて、英語だけじゃなくて日本語のデータも集まっている。でも、最初にスピーカーをやると、集まるデータは少ないじゃないですか。1万円で買った人、しかも最初は音楽なので、音楽を指示する音声データは集まるけれど、それ以外はなかなか集まらないので、精度が低いかもしれないという懸念がある気はします。

石野氏:LINEはトークのデータがある。

石川氏:彼らが持っているのはテキストベースのデータ。音声で話しかけるのは別だと思う。

法林氏:難しそうだよね。声を聞いていないのは、LINEにとって大きなハンデだと思う。

房野氏:ソニーモバイルは、そのあたりをサポートするのかと思っていたのですが、違うんですね。

石川氏:そこまで深い提携ではないと思います。

石野氏:ネイバーがどのくらいの技術を持っているかが分からないですね。

法林氏:分からない。例えばLINEの音声通話をテキスト化する機能があるかといったらない。ドコモの「みえる留守番電話」とかもあるので、できそうな気もするけれど、意外にしゃべるデータを活用する仕組みがLINEにはないんじゃないかと、あくまで予想ですけどね。そこが実際にどれくらいなのか分からない。

石川氏:あと、住宅環境も全然違うじゃないですか。テレビが流れている中で、「Clova(クローバ)」という呼びかけにちゃんと反応するのかとか、音の響き方もある。スマホで録音してテキスト化するアプリがあるけれど、みんな精度が悪い。ああいうのを見ると、音声をテキスト化して処理して応答するというのは、相当大変な技術だと思います。どうなることやら。

法林氏:夏以降、各社の動向や順次出てくるデバイスがどれだけ使えるか、使えないのか注目。下手したら総コケする可能性もある。

石川氏:ウェアラブルデバイスの二の舞いになる可能性もある。

石野氏:そうですねえ。

法林氏:結構、危険な感じです。

石野氏:エコシステムがちゃんと広まらないと、スマホみたいに持続的に発展するのは難しいかなと思います。

法林氏:ところで毎回この話になるけれど、そもそも音声、どれくらい使うんだろう。

石野氏:僕、家では使います。

房野氏:私も先日、Googleアシスタントを使ってみて、結構いいなと感じました。

石野氏:音声で検索はします。あと、子どもが攻めて来ると、タッチしている余裕がないので、「OK Google、PPAP」といって動画をパッと見せると、だまります(笑)

房野氏:音声入力にこだわるのは、ディスプレイから離したいという狙いがあるんでしょうか。

石野氏:離れたいというより、離れる方向を模索している感じじゃないでしょうか。

石川氏:LINEの社長がいうには、みんなスマホの画面を見なくなるんじゃないかと。その危機感があるので、いち早くスピーカーに対応するということだと思います。例えばApple Watchの画面を見ることもあるだろうし、テレビの画面を見ることもあるだろうし、スマホだけじゃなくなると。

石野氏:メガネとか。そうやってMR(Mixed Reality、複合現実)みたいになってくると、ディスプレイじゃなくても、目の前にバーっと表示を並べることができるようになるかもしれない。そういう先を見据えた取り組みの1つだと思います。

 ところで、持ち運べる「CHAMP」はSIMカードが入るんじゃないかと気になっています。LINEモバイルのカウントフリーと組み合わせて、若い人に流行りそうじゃないですか。学校に持っていくとか。

石川氏:けど、あれを人前では使わないでしょ。

房野氏:外で遊ぶときに持って行って音楽を流すくらいじゃないですか。

石野氏:みんなスマホで音楽を聞いているじゃないですか。それをスピーカーで流すんだったら、あれでもいいじゃんということで。

石川氏:いやあ......だけど、カウントフリーを活かせるとは思えないなあ。

......続く!

次回は、auの新料金プランについての会議です。ご期待ください。

文/編集部

@DIME編集部

最終更新:8/3(木) 7:20
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