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「九州の快腕」「宮城のドクター0」…地方大会で消えた凄い投手たち

8/3(木) 11:40配信

webスポルティーバ

 宮城の代表として仙台育英が勝ち名乗りを上げ、夏の甲子園に参加する49校すべてが出揃った。最大の注目だった早実・清宮幸太郎は、西東京大会の決勝で敗れ、最後の夏を甲子園でまっとうすることはできなかったが、彼と同じように地方大会で姿を消した“逸材”たちは全国に数多くいた。

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 地方大会を目前に控えた7月上旬。今年の九州を代表するふたりの本格派右腕のピッチングを見る機会を得た。ひとりが熊本工・山口翔で、もうひとりが柳ヶ浦(大分)・田中瑛人だ。

 ともに、今秋のドラフト上位候補と目されている快腕だが、この夏の地方大会では山口が3回戦で、田中は準決勝で敗れ去った。だが、練習試合で見たふたりのピッチングは、「さすがドラフト上位候補」と言われるだけの素晴らしい内容だった。

 まず、山口の変わりようには驚いた。春のセンバツでは上体が前傾して腰が後ろに残ったままステップしていたから、右腕が十分に上がらず、腕の振りも“横振り”になっていた。

 センバツ後、この夏にかけて体幹をみっちり鍛えたのだろう。今は背中を立てた状態で踏み込めるので、しっかり腕を縦に振れている。センバツではストレートがシュート回転していたが、それが見事に解消され、実に素晴らしいバックスピンが加わった。

 立ち上がりから140キロ台中盤をコンスタントにマークするが、速い球を投げようとし過ぎていないのがいい。セットポジションからいい感じで力が抜け、リリースの瞬間にパチッと力を加えるだけで145キロ。

 練習試合で対戦した西日本短大付(福岡)の打線は、間違いなく全国クラス。試合序盤、その強力打線が山口のストレートの強さについていけない。左打者の懐(ふところ)を突いたストレートがどん詰まりとなって一塁に転がる。金属バットが折れたのでは……と思うぐらいの詰まり方だった。

 試合前のブルペンでは、縦、横のスライダーが荒れに荒れていたが、試合が始まった途端、内に外にビシバシ決まるから、もう手がつけられない。縦に落とし、横に滑られて、スライダー2球でサッと追い込む軽快なテンポも、春のセンバツではなかったものだ。

 気温33度の炎天下。さすがに前半飛ばし過ぎたのか、後半は投げ急ぎが目立ち、センバツのときのように腕が横振りになり、アウトコースを狙ったストレートがシュート回転して真ん中に入ることもあったが、そんな“課題”よりも春からの“成長”の方が強く印象に残った。

 一方、田中は“したたか”な投手だ。後半にへばらないように、打者の実力を見計らいながら出力を加減して投げるのがにくい。

 リーチが長いから、軽く腕を振っているようでも速球が唸りを上げてミットを突き刺す。それだけじゃない。カウントを取るカットボールを右打者の外にも、左打者の外にも出し入れできるテクニックは、まさに“大人”のピッチングだ。

 ストレートとカットボール、スライダーでカウントをつくり、勝負球のチェンジアップの“抜け”はプロでも通用する必殺球と言える。

 さらに、ボークぎりぎりのけん制や、セットポジションでのクイック。球審から警告を受けると、「すみません、わざと試しました」と言ってのける、その根性。間違いなくマウンドを支配できる男だ。

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