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ドイツの再生可能エネルギー転換が“足踏み”状態に

8/3(木) 19:10配信

WIRED.jp

2017年前半、ドイツでは電気の35パーセントが再生可能エネルギーによって供給されており、これまでの記録を更新した。一方で、エネルギー消費全体における再生可能エネルギーへの転換は足踏みしている。その“元凶”になっている「2つの分野」とは。

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ドイツ再生可能エネルギー協会(BEE)にとって、よいニュースと悪いニュースがある。

よいニュースとは、2017年1月~6月にドイツで生み出された電力の35パーセントは再生可能エネルギー由来となり、これまでの記録を更新したというものだ。

参考までに、米国では2017年の第1四半期(1月~3月末までの3カ月)に風力や太陽光、従来からある水力などの再生可能エネルギーからつくった電気は19.35パーセントだ(日本においては、2015年度は14.5パーセント、2016年5月は約21パーセントが再生可能エネルギーによる発電だと報道されている)。

そして悪いニュースは、エネルギー消費全体における暖房と輸送の2つの部門の数字があまりよくないことだ。これらの2部門は、化石燃料の利用をやめるのが難しい。電気自動車(EV)の普及は、いまでも政府の奨励金が頼みの綱だ。

輸送部門で化石燃料から再生可能エネルギーへと転換した割合は、2015年上半期の5.7パーセントから2017年上半期は5.1パーセントに減少した。

総合的に見ると、2017年上半期にはドイツ経済全体のエネルギー消費のうち、15.2パーセントが再生可能エネルギー由来のものだが、その前の半年からと比較するとわずか0.4パーセントの増加にとどまっている。電気部門の増加は著しいとはいえ、BEEはこのような進捗状況を残念だと述べている。

BEEは報告書のなかでこう述べている。「われわれは、2020年の予想に関して楽観視できていない。最終的なエネルギー消費において再生可能エネルギーの占める割合の増加が少ないことは、この疑念を強めるものだ。(中略)現状のペースでは、2020年の最終的な総エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を18パーセントにするというEUの達成目標を、ドイツが果たせないことは明らかだ」

またドイツは、原子力発電への依存を段階的に廃止し、2022年までに全廃すると宣言している。発電量の多い原発の廃止により、ドイツの目標達成は一層困難になったと言っていい。原子力エネルギーは厳密には再生可能な電力源ではないものの、地球温暖化の一因である温室効果ガスを出さないとされる。その一方で、安全性や効率、廃棄物の管理についての論争が続いている。

一連の状況に対応するため、ドイツは再生可能エネルギーによる電力生産を増やすことで補っている。ロイターの記事によると、ドイツでは「2017年の晴天で風の強い特定の日には、最大85パーセントの電気を再生可能エネルギー源から得ている」という。

MEGAN GEUSS

最終更新:8/3(木) 19:10
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