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「相撲部員は繊細です」。豪栄道を生んだ名門・埼玉栄を支える監督の愛

8/3(木) 17:20配信

webスポルティーバ

 高校相撲日本一を決める『全国高校相撲選手権大会』の団体戦で、歴代最多の優勝9回を誇るのが埼玉県の埼玉栄高校だ。1992年の岡本篤(元幕内・栃栄。現在の三保ケ関親方)から始まり、2004年の澤井豪太郎(大関・豪栄道)ら高校横綱を4人輩出。大相撲にはこれまで36人が入門し、現在、十両以上の関取に8人が名を連ねている。そんな名門相撲部を率いる山田道紀監督の指導に迫った。

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 山田監督は、日本大学相撲部時代に全日本体重別無差別級で準優勝するほどの選手だったが、大学卒業後は角界に進まず、1989年に埼玉栄高校に赴任。翌年から相撲部監督に就任した。同校は中高一貫校で、現在の部員は中学生2人、高校生19人の21人。全員が寮に入っており、監督夫妻と共に生活をしている。

 部員は朝6時に起床し、当番制の掃除を終えて朝ご飯を食べ、7時から8時まで朝練習を行なう。9時からの授業に出た後、放課後の16時から18時まで練習し、寮に戻って19時に夕食。最後に21時30分からのランニングをこなし、22時30分か23時に消灯というスケジュールになっている。

 山田監督の1日は弁当作りから始まる。朝5時30分に起きて高校生の部員19人分の弁当を自らが手掛けるのだ。鳥取県の実家で飲食店との仲買人を務めている、母の満子さんから毎日送られてくる魚や肉などが弁当のおかずになる。ちゃんこも監督自らが腕を振るう。卒業した豪栄道が「監督の飯は最高にうまい」と明かすように、監督の心を込めた食事が、部員が土俵で発揮する力の源となっている。

 練習時間は、朝夕合わせて3時間。「ウチは短いですよ」と監督自身が話す通り“短時間集中型“だ。しかし、就任当初は練習も長時間で、申し合いで50、60番は普通だったという。相撲部は徐々に実力をつけ、1992年に全国選手権で初優勝を果たすも、それからしばらく日本一から遠ざかることになる。その頃に山田監督が思い出したのは、日大時代の相撲部監督だった田中英寿理事長の教えだった。

「田中先生は、選手それぞれに合わせて、ちょうどいいところで練習を終わらせていた。調整と休養の取らせ方が素晴らしかったですね」

 恩師の指導を思い起こして練習方法を見つめ直し、「98年ぐらいから今のトレーニングを導入して、練習はいいところで上げるようになった」と振り返る。その成果は、1999年の2度目の日本一、2004年からの3連覇といった形で表れた。

 指導哲学について、山田監督は「同じ四股(しこ)でも、無理やり100回踏むのと、意味が分かった上で50回しっかり踏むのは違う。結局、人間は“脳みそ“なんです」と明かす。中学時代に全国でも名を馳せた生徒が入学する同校。連日、中学では経験したことのない強い先輩や同学年の選手と稽古をする。練習で負け続ければ、その経験が少なかった選手は、瞬く間に自信を失っていく。

「相撲は勝たなきゃ面白くないんですよ。ずっと勝ってきた選手ほど、心は繊細で神経質。強い子を潰すのは簡単なんです」

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