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【総体】決勝目前で流経大柏に敗戦…。PKを"蹴らなかった"前橋育英の主将が痛感した「勝負のこだわり」とは?

8/3(木) 20:00配信

SOCCER DIGEST Web

目標のひとつである青森山田撃破は達成したが…。

 上州のタイガー軍団を束ねる前橋育英のキャプテン、田部井涼の目に涙は無かった。
 
 昨年度の選手権決勝で青森山田に0−5に敗れて以来、新チームは『打倒・青森山田』と『日本一』のふたつを目標にスタートをした。田部井涼はそれを達成すべく、春先からチームに厳しい目を向けて、周囲に声を掛けてきた。
 
 迎えたインターハイ。チームは3回戦で青森山田を撃破し、もうひとつの目標である日本一に突き進んでいた。しかし、準決勝で流通経済大柏の壁に阻まれる結末となってしまった。
 
 この試合、セットプレーから2年生CB関川郁万に高い打点のヘッドを決められてしまう。55分にはFW 高橋尚紀がPKを獲得し、同点にするビッグチャンスを迎えるが、高橋の放ったキックは、流通経済大柏GK薄井覇斗のビッグセーブに阻まれた。
 
 これまで3試合連続で相手に先制を許すも、追いつき、試合をひっくり返して来た前橋育英だったが、同じことが4度は続かなかった。0−1のまま試合は終了し、優勝候補筆頭は準決勝で姿を消した。
 
 悔しさに沈むチームにおいて、田部井はしっかりと現状を受け止めようと、前を向き、試合後のミックスゾーンでも冷静に立ち振る舞った。そのなかで、彼は大きな気付きを得た。それはPKのシーンに話が及んだ時だった。
 
 試合後、PKのシーンについて山田耕介監督が「なぜ涼が蹴らなかったのか?一番大事な場面で、どうしてそうなったのか分からなかった。3年生が『涼が蹴るんだ』と言ったり、涼自身が『俺が決める』と主張すべきだった」と発言をしたことを受け、田部井はこう口を開いた。
 
「PKを獲った選手が蹴るのが、育英の暗黙の了解でした。それに(高橋)尚紀も練習では普通に上手くPKを決めていたので、『託した』感じです。外したという結果を見ると、僕が蹴っても良かったと思いますが、そこは尚紀に託しました」
 
 確かにPKを獲得した選手が蹴るのは、どのチームでも往々にしてある。山田監督もそこは「理解できる」と話をしていた。だが、あのPKはただのPKではなかった。0−1と負けており、残り15分という危機的状況で得たものだった。山田監督が試合後すぐに苦言を呈したのも、負けたら終わりのトーナメントで、『暗黙のルール』を破ってでも、勝負に徹する気概を見せて欲しかったからだった。

【インターハイ男子準決勝PHOTO】前橋育英0-1流経大柏|流経大柏が決勝進出!

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最終更新:8/7(月) 18:05
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