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世代交代が一気に進み、日本への期待強めるロシア

8/3(木) 6:10配信

JBpress

 ロシア・ウラル地方の主要都市であるエカテリンブルクで、7月10日から13日まで、国際産業博覧会「INNOPROM2017」が開催され、筆者はジェトロ派遣の日本企業向け相談員として全期間現地に滞在した。

 その時の印象を中心に、日露の産業交流を描いてみたい。

 この展示会には、毎年パートナー国という主賓国が選ばれて、大きなスペースを与えられるとともに、セミナーやパネルディスカッションなどロシアとの関係を論ずる場に優先的に招聘される。今回は日本がパートナー国として選ばれた。

 このため、日本からは世耕弘成経産相、高橋はるみ北海道知事など行政の高官が訪問したことも本展示会の特徴と言えよう。 

 また会場外における文化交流も盛んで、今回日本は、パートナーカントリー文化プログラムとして和太鼓を中心にした和風テイストのプログラムを準備、エカテリンブルク国立オペラ・バレエ劇場で開会初日の夜に上演した。

 なお、このコンサートに先立ち、ウラジーミル・プーチン大統領その人による主催国挨拶があって、パートナー国日本のことを持ち上げていたのが印象深い。

 このプーチン大統領の登場は事前には知らされておらず、バレエ劇場への入場時の警備、予定時間の後ろ倒しなどから、どうも重要人物が出てくるのではないかと皆が思い始めたところでの登場で、このこと自体がロシア側によるショーであった。

 今回、5万平米を誇る展示会場にブースを設けた日本企業は170社、エカテリンブルクの地を踏んだ日本企業の出張者は800人と発表されている。

 近年これだけの規模で日本が参加したロシア国内での展示会、見本市というのは皆無であり、この影響は今後数年にわたり、エカテリンブルクをはじめとするウラル地方、さらにはシベリア地区全体に及ぶものと考えられる。

■ 欧米による対ロ経済制裁の影響

 北朝鮮がICBM打ち上げ成功を祝い、平壌で関係者を招待して最大級の祝宴を張ったという報道があるが、このINNOPROMにもそんな一面が感じられて仕方がない。

 すなわち、2014年夏、ロシアに対して課せられた経済制裁から3年が経過し、その間ロシアはあらゆる分野において自主独立の精神をもって産業の振興を図り、その結果が今回のINNOPROMとして凝縮した、と考えられるし、事実プーチン大統領の上記演説でもそのような大統領の気持ちが述べられていた。

 日本企業の多くは自社ブースでのアテンドが多忙で、ロシア企業中心の第2、3パビリオンを視察する時間もなかったかと思うが、そこには外見上ほぼ欧米の水準にまで達したロシア製品が並んでいた。

 筆者が特に関心を持ったDM社は、道路建設用車両の製造メーカーであった。説明を聞くと、この会社はヤロスラブリ州リービンスクに本社工場を持ち、同州に工場を持つコマツのことはよく知っていると言う。

 日本企業であるコマツがロシア国内に工場を作り、日本その他海外から輸入するコンポーネンツを組み立てて製品化しロシアという消費地に提供するビジネスが可能なら、我々にもできないわけがない、と言う。

 ただし、広範な製品を持つコマツと正面から競争しないため、DM社は道路建設機械という分野に限定。

 会社設立から20年、今や道路建設に絡むほぼ全種類の機械を提供できるまでになったDM社が意識するのは、同分野で圧倒的な力を発揮する日本の酒井重工業であり、韓国Doosanである。

 ここには、経済制裁を強化する欧米からロシアがこの種の製品を輸入することはもうない。残るは日本、韓国だけ、という思いが強いように感じられた。

 今回のINNOPROMでロシア企業ブースに行くと、このようにしっかりした企業プレゼンテーションができる担当者がどこのブースにも必ずいる。これはロシア企業の大きな成長だと言えるだろう。

 知り合いを見つけては、共に酒を酌み交わし、新規商談を督促する、これがこれまでのロシア流展示会だったとすると、なんとスマートになったものだろうか。

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最終更新:8/3(木) 6:10
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