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酒屋の店先で飲む「角打ち」が個性をまとって再流行の兆し

8/3(木) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

● 酒屋で飲む「角打ち」 古き良き昭和の伝統

 「角打ち(かくうち)」という言葉をご存じだろうか?酒屋さんで缶ビールやカップ酒、缶詰めや乾き物などを買い、そのまま店内もしくは店先で飲むスタイルだ。

 お客が店の冷蔵庫から飲み物を取り出してレジでお金を払い、そのまま所定の場所で飲むというのが従来のスタイルだが、店によっては、酒屋の売り物とは別に店側が生ビール等を提供するというスタイルもある。いずれにせよ「酒屋で飲む」というのが角打ちの定義だ。

 「角打ち」の魅力は、何と言ってもリーズナブルな価格だ。元々は「お客が商品を買って、勝手に飲み出した」というのが誕生の発端だという。お店側も、飲食店のように接客する必要など全くない。そのため商品に少しだけ上乗せされた金額で飲むことができる店が多い。

 また気軽にフラッとお店に入って飲めるというのも捨てがたい魅力だろう。1人で飲むのもよし、他のお客と触れ合って飲むのもよし。古き良き昭和文化に触れながら、とにかく気取らずに自由に飲むことができる、それが「角打ち」の醍醐味だ。

 角打ちの発祥は北九州の炭坑地帯。当時は24時間稼働していた炭坑で交代勤務をしていた労働者が、深夜勤務明けの朝に気軽に一杯、お店で飲めるようにと始まったものと言われている。当時は朝から開いている居酒屋はなかった。しかし働く時間帯はどうであれ、仕事上がりの一杯ほど美味いものはない。

 元々酒屋である「角打ち」は、朝の時間でも開いており、当時の労働者たちの心を鷲掴みにしていった。それから角打ちは全国へと広がり、各土地の地元の店へと根付いていった。

● 世界中のビールを取り揃えた 東京杉並の「酒ノみつや」

 そんな昔ながらの昭和の象徴とも言える「角打ち」が、各店ならではの個性的なサービスを提供して、新たな付加価値をつけながら今、再び盛り上がりを見せている。

 新しいスタイルの「角打ち」の1つが、東京都杉並区にある「酒ノみつや」だ。創業は大正13年。外観も内観も改装をして現代風になっているが、代々、阿佐ヶ谷の街で続く老舗だ。ただし伝統に重んじるが故に守りに入っているような店ではない。むしろ攻めの店だ。

 まずビールやワイン、日本酒の圧倒的品揃えが目を引く。この「酒ノみつや」では世界のビールを飲むことができる。店の奥の冷蔵庫には、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界中から来たビールが何十種類も、これでもかと言わんばかりに並んでいる。これらをレジで購入後、店の奥の「角打ち」スペースで飲むことが出来るのだ。

 店主の三矢治さんは言う。「俺、アメリカで20年生活していたんだけどさ、本当、多民族国家だって実感したんだよね。いろんな国から人が来ていて、いろんな文化があって。それで仲良くなったやつの家に遊びに行くと、そいつらが故郷の国のビールを振る舞ってくれたりするの。それが美味くてさ。日本に帰国して店始めたのは1997年。当時、日本ではビールの種類って限られていて、外国のビールなんて珍しいわけよ。だから『俺がこれからの日本の飲みシーンを盛り上げていこう!』って思っちゃって。まあ若気の至りかな(笑)。それで、あちこち探しまくって仕入れたんだ。当時はインターネットの仕入れも、まだまだ普及してなかったから苦労したよ」

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