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一流の経営者が常に「即断即行」をできるワケ

8/3(木) 9:00配信

東洋経済オンライン

 経営に成功を収める、あるいは、企業競争に勝ち残るための1つの条件は「決断の速さと実行の速さ」ではないかと思います。

 リアルタイムに情報が、この地球を駆け巡る時代。北朝鮮がミサイルを発射してもあっという間に世界中に知れ渡る。1時間後には日本の首相が非難声明を発表する。そのような時代です。イギリス中部マンチェスターのコンサート会場で起きた自爆テロ事件は、数十分後には速報として日本のテレビに流れました。これは少し前の話になりますが、イラク戦争のときのまさに実況放送は、テレビを見ている人にまるでテレビゲームを見ているようだと言われるほどでした。

■「ゆっくり経営」は自殺行為だ

 このような時代に、経営者は「ゆっくり経営」をしていては自殺行為です。それでは勝負に勝つことはできません。まさに「即断即行」ができるかどうかが求められており、一瞬の遅れが取り返しのつかない遅れになることを知っておくべきです。

 決断に1週間も1カ月も、まして1年もかけるようでは、端(はな)から勝負にはなりません。もちろん、今頃、決済に社長なり上司がそれほどまでに時間をかけている会社はないでしょうが、以前はとりわけ、大企業では珍しくありませんでした。

 ある財団の理事長に就任した元ジャーナリストが、「稟議書、決裁書になんと27個のハンコが押されている」と驚いていました。その話をある大企業の役員に雑談で話したところ、「それは別に驚くことではありません。私の会社でもよく50以上の印鑑が押されている稟議書が回ってきますよ」と言って笑っていました。

 これには驚き、「それでは稟議書が回され最終決済が下りるまでに、1年以上かかることもあるということですか」と尋ねると、「それは当然でしょう」と事もなげのひと言。確かに、そのように時間をかけなければならない事案もあるとは思いますが、「50以上の印鑑の押された稟議書が当たり前」という感覚は異常といえます。こうしたゆっくり経営が、日本の大企業がのたうち回る結果になった原因の1つなのではないかと思います。これでは世界での競争はできません。事実、少なくない大企業が泡沫のごとく消えていきました。

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