ここから本文です

小芝風花「被爆体験者の方のお話はすごくズシーンとくるものがあって。 その時の気持ちを役に活かせるように、絶対に忘れないでおこうと思いました」

8/4(金) 12:00配信

otoCoto

ヒロシマ8.6ドラマ「ふたりのキャンバス」(NHK広島)は、広島市立基町高校で10年前から行われている、高校生と被爆体験証言者による「原爆の絵」の取り組みを元にしたストーリー。被爆体験者の証言と向き合い、一年をかけて想像を絶する当時の様子を絵にしていく体験を通して成長していく高校生、柳井里保役を演じた小芝風花に、この作品に対する思いを語ってもらった。


──まずは小芝さんの役どころを教えてください。

私が演じたのは柳井里保という美術コースに通う高校生なんですけど、本当に何の取り柄もない、ごくごく普通の女の子なんです。将来どういうふうになってるんだろうっていう漠然とした不安も抱えてるし、ちょっと大人びていて何でもできる同級生に憧れていたり。そこがすごく私と似ていてで、演じやすかったというか、役に入りやすかったというか。この人にこう言われたからこの子はこう動いたんだっていうのが台本を読んでいてもすごくわかりやすくて。

広島の基町高校の生徒が、実際に被爆体験者の方とお話して、一枚の絵を作るっていう取り組みをされてるんです。それが題材になっているんですけど、私もこの作品に入る前に、実際にその取り組みに参加された被爆体験者の方にお話を聞く機会があって。お話を聞いた後はズシーンときて、しばらくここから動けなくなってしまったんです。その時の気持ちをそのまま役に活かせるように、絶対に忘れないでおこうと思って。だから変に作りすぎず、思ったように役に投影できるようにしたいなって思ってやりました。

──では実際にその取り組みに参加している高校生達と、まったく同じ体験をしたということですね。

そうですね。話してくださる方も絶対に思い出したくない過去を話してくださるので、すごくエネルギーを消費されているんですけど、聞かせていただく方も相当なんですよね。自分が見たことがなく、経験したことがないことを話だけを聞いて絵にする、それを表現するというのもまた大変な作業で。それを一年もかけて作り上げるっていうのを知って、私より年下の高校生の方がそれをやってるんだ!と、最初本当にびっくりしました。この取り組みに参加した人達は、本当にすごいなとしか言いようがないくらい。できあがった絵も、迫力がすごいんですよ。だからこの取り組みに参加された高校生や被爆体験者の方の気持ちをこぼさないように、ちゃんと演じられるようにしたいなっていうプレッシャーもありました。

──実際に高校生の方達が描いた絵を拝見したんですけど、お話を聞いただけで、こんなにリアルな絵が書けるんだ!と、すごく驚きました。

驚きますよね。服がボロボロって言われても、ボロボロの服を着ている人を見たこともないし、辺り一面が瓦礫しかないって言われても、すごく住みやすく生活しやすい環境の中で育ってきたので想像もつかなくて。でもそれを理解したい、理解しようとする、ということが大事なんだよっていうところがすごく出ている作品なので、なんかもう……もがいてます(笑)。もうわかんない!って。だって、当時を見てないし、話を聞いただけで想像しても、話し手の頭の中にどういう絵があるのかも想像できないし。でも、それでももがいている姿は、やっぱり素敵だなあって思いました。

1/2ページ

最終更新:8/4(金) 12:00
otoCoto