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個人のカラダに「最適化された外骨格」を、アルゴリズムが自動でつくる時代がやってくる

8/4(金) 12:11配信

WIRED.jp

万人向けの標準化された外骨格はまだない。しかし、一人ひとりに対応する、パーソナライズされた外骨格づくりに向け、カーネギーメロン大学の研究チームが大きな一歩を踏み出したようだ。

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もし人間がロボットのように歩いていたとすれば、エンジニアはとっくに機械支援歩行を完成させていただろう。しかし、世の中にはつま先で弾むように歩く人や、競歩のように歩く人、気取って歩く人もいる。習慣や病気、障害はそれぞれの歩き方に影響するのだ。

そして理想の外骨格(エクソスケルトン)とは、誰にとっても利用しやすく、かつパーソナライズしやすいものでなくてはならない。

医師のような外骨格

「万人のための外骨格」は、まだ存在しない。人間は文字通り動くターゲットであり、コンピューターはそんな人間の歩き方を予測するのに苦労しているのだ。

データの観点からみると、人間は“うるさい“のだとカーネギーメロン大学の生物機械工学研究者キャサリン・ポッケンゼーは言う。「そのうえ人間には脳があるので、時の経過ともに適応するのです」

人間は一般に、どんな動きをするのにもいちばん簡単な方法を見つける。だが、ある1歩がほかの1歩よりも簡単に感じるのかを説明できるような、身体的および空間的な意識をしている人はほとんどいない。これが、外骨格をより効率的にするために研究者がアルゴリズムに着目している理由だ。

外骨格の強さと動くタイミングの調整は、現時点では手動よりも自動で行うほうが、速くよい結果を出している。ポッケンゼーと研究者チームは『サイエンス』誌で発表した論文で、外骨格をユーザーに最適化するアルゴリズムの概要を記している。チームが使った最適化の方法は、CGIにおいてアニメーションキャラクターと環境のインタラクトの方法を規定するのにも使われている。

こうした制御アルゴリズムは、ユーザーに標準化されたアシストを提供するものではない。医師が患者に「よくなった? 悪くなった?」と聞きながら調整を行うように、自動的に設定を行うのだ。

ただし、アルゴリズムは実際にユーザーに質問するのではなく、センサーによるフィードバックを利用する。たとえば、歩くのに必要なエネルギーを最小化するために、呼吸をトラッキングすることで代謝率を計算し、カロリー燃焼を最低限に抑えるといったことだ。

アルゴリズムによる調整は、機械による測定と分析が可能な研究室のトレッドミルのうえでしか行えない。しかしゆくゆくは、ユーザーが外骨格やロボット人工四肢をクリニックで装着し、そこからパーソナライズされたプロフィールを外の世界に送れるようになると考えられている。

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最終更新:8/4(金) 12:11
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