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ツイッターをやめたら嫉妬も消えた。日比野菜緒の有意義な準優勝

8/4(金) 11:20配信

webスポルティーバ

「3度目の正直!」

 中国・江西オープン決勝戦に挑む心境を、彼女はそう吐露していた。

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「3度目」が意味するところは、ここ最近の2度のWTAツアー大会決勝でいずれも敗れてきたという事実。江西オープンは日比野菜緒にとって、実に4度目のWTAツアー決勝戦であり、そして初の決勝で頂点を掴んで以来となる2度目のタイトル奪取に挑む戦いであった。

 現在22歳の日比野が踏破してきたツアーでの足跡は、起伏に富んでユニークだ。これまで7度出場したグランドスラムでは、初戦でことごとくトップシード選手に当たったため、いまだ勝ち星に恵まれない。その一方でこの3年間、必ず毎年一度はツアー決勝に進む勝負強さと爆発力を発揮している。

 ちなみに、日本女子の現役選手で日比野以外にツアー決勝に複数回出ているのは、土居美咲と奈良くるみ、そして伊達公子の3人のみ。1990年代に伊達が7度ツアー優勝したことをのぞけば、3人ともに決勝進出は2度なので、日比野の戦績はそれら先輩を上回るペースだ。

 2年前のツアー初優勝も、そんな彼女らしい、ある種の荒さのなかで掴み取った。

 ランキング213位で迎えた2015年は、母親から「今年ダメだったら、別のことをしなさい」とハッパをかけられた覚悟のシーズンだった。それでも序盤はなかなか結果を出なかったが、4月の岐阜ITF大会(ツアー下部大会)で同期の穂積絵莉に完敗を喫したときに、彼女のなかで意識変革が起きる。

 練習や試合態度を改め、コーチの言葉に真摯に耳を傾けて戦術を磨き、5月から7月にかけてITF3大会で優勝。ランキングを100位台前半まで急上昇させると、10月のタシュケント・オープンでツアー本戦2大会目にして優勝の快挙を成し遂げた。

 これを機に「トップ選手の指標」とも言える100位以内に定着した日比野は、以降はツアーを主戦場とし、今回4度目の決勝進出を果たしたのは先述のとおりだ。

 しかし、3度目の正直を目指した江西オープン決勝は、結果的には彼女に優勝の難しさを三度(みたび)味わわせる苦杯となる。試合立ち上がりの日比野は、緩急を用いながらコーナーを突く配球で実力者の彭帥(ポン・シュアイ/中国)を振り回し、ミスを誘ってリードに成功。だが、相手が粘り強く守り始めると、先に攻めなくてはと「焦り」が出た。いずれのセットもミスが重なりブレークを許すと、挽回の機は訪れぬまま、4度目の決勝は幕を閉じた。

 敗戦後の彼女はその理由を、アウェーの環境や心理面に求めはしない。それでも、「決勝の回数を重ねるごとに、気負ったり、優勝の重みを感じるようになった」ことは認めている。

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