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「不審者に気をつけて」で子どもを狙う犯罪は防げない

8/4(金) 12:30配信

Wedge

毎月のように、新しい子育て本、教育本が書店に並ぶ。教育熱心な親、子育てに悩む親がそれだけ多いということなのだろう。教育に関してはさまざまな考え方があり、どのような考え方を選ぶかは各家庭の裁量だ。ただ、一つの考え方に固執するよりも、他種多様な手段・方法・考え方を知って選択肢を持っておきたい。正解はないが、結果はあるのが子育て。あなたは親としてどう子どもと向き合いたいだろうか。この連載では、教育関連本を出版した著者の方たちにインタビューしていく。

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 子どもを狙った悲しい事件が報道されるたび、「どうすれば子どもを守れるのか」とやるせない思いを抱いている人も多いのではないだろうか。狙われる側の防犯能力を高めなければという声がある一方で、「子どもにマンツーマンディフェンスさせるのは酷。ゾーニングに基づくゾーンディフェンスで犯罪者に『あきらめ感』を」と説くのは犯罪学研究の小宮信夫さん。「ゾーンディフェンス」とは、犯罪が起こりやすい環境である、「入りやすく見えにくい場所」を、「入りにくく見えやすい場所」に変えていく取り組みだ。今年4月に刊行された著書『写真でわかる世界の防犯 ――遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館)では、小宮さんが訪れた世界92カ国でどのような防犯対策を行っているのかがオールカラーの写真とともに紹介されている。犯罪を行う動機を持った者から犯罪を行う機会を奪うことで子どもを守る「犯罪機会論」について、小宮さんに話を聞いた。

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小宮信夫(こみや・のぶお)
立正大学文学部教授。社会学博士。日本人として初めて英国ケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省法務総合研究所などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者。警察庁「持続可能な安全・安心まちづくりの推進方策に係る調査研究会」座長、東京都「非行防止・犯罪の被害防止教育の内容を考える委員会」座長などを歴任。著書に『写真でわかる世界の防犯 ――遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館)、『犯罪は予測できる』(新潮新書)など。公式サイトは「小宮信夫の犯罪学の部屋」

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最終更新:8/4(金) 12:30
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