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口角が下がっていても、いい女。アデュー、ジャンヌ・モロー

8/4(金) 22:40配信

madame FIGARO.jp

ビューティ編集者的ジャンヌ・モロー論

月曜日の夜、パリに友人がたくさんいる友だちとレストランに向かう途中、「この人になんかあったのかな?」と、SNSの画面を見せられました。
ジャンヌ・モローの若かりし頃の映画のワンシーン、そしてふたつに割れたマーク並んでいたり。

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とうとうフランスを代表する大女優が亡くなったのかあ……。
中には、キャロリーヌ・ドゥ・メグレの投稿もありました。

口角が下がっていても、いい女。

口角が下がっている顔立ちは、なかなかよいこととはされないものです。美容テーマも担当する私は、そういうところは意識しながら女性の顔を見ています。
でも、ジャンヌ・モローの表情の魅力は、まさにこの口角が下がっていること、だと思います。
一筋縄ではいかない女、気難しいムード、気の強さ。そういうニュアンスがたまらなくエロティックで、唯一無二の存在感を醸し出す。
特に、ちょっとだけ下からあおって彼女の表情をとらえ、口角が下がっていることをあえて強調したようなシーンが好きでした。
意志的なメランコリーというか、気だるさ。
映画好きにはよしとされない予定調和を、微妙なバランスで崩す、映画のアクセントのような存在感です。

映画と演技に捧げた人、ジャンヌ・モロー

フランス映画が語る男と女の不条理の中で、観客の集中力を増させ刺激するような女優でした。
『死刑台のエレベーター』(1957年)で、『突然炎のごとくで』(1962年)で、
ジャンヌ・モローの表情に打ちのめされたフランス映画ファンはたくさんいるはず。

『死刑台~』では、マイルス・デイヴィスの音楽も素晴らしいけれど、ストーリーのトラップとともに、モーリス・ロネとジャンヌ・モローという美しいキャストが、この映画をサスペンスの金字塔にしたのだと思います。
『突然~』は、女ひとり男ふたり、という三角関係の恋愛シチュエーションのザ・定番。ここから触発されて恋愛をテーマにしたドラマや映画作品が数多く作られました。
ローゲージのニットにキャスケット、ダボパンというボーイフレンド風のルックや、フランスらしいマリンボーダーも、女性たちの間でジャンヌ・モローがファッションアイコンになった理由のひとつ。
ただし、ファッションアイコンというありようにまったくこだわらずに、あくまで映画と演技に捧げた人に思えます。

KIYOMI MORITA

最終更新:8/4(金) 22:40
madame FIGARO.jp

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