ここから本文です

フィジカルをハードに改造中。神野大地の走りは「山の神」時代と違う

8/4(金) 12:10配信

webスポルティーバ

◆神野プロジェクト Road to 2020(3)

 陸上日本選手権の男子1万mが始まろうとしていた。

【写真】3代目・山の神は「ケニア人」みたいになった

 大会2連覇を目指す大迫傑ら日本の長距離界の主力級が集合し、スタートラインは独特の緊張感に溢れている。大阪・長居競技場がシーンと静まり、スタートの号砲が響いた。

 神野大地は中盤あたりの位置をキープしていた。ペースが遅く、タイム的には厳しくなりそうだ。3000mほどで列が長くなり、神野が早くも先頭グループから遅れはじめる。表情が歪み、ちょっと苦しそうだ。練習での調子は悪くないと聞いていたのだが、体がスムーズに動かないように見える。結局、神野は最後までスピードが上がらず、29分36秒05の20位でフィニッシュした。ミックスゾーンで神野は汗にまみれ、疲れ切った表情で言った。

「29分36秒……うーん、まぁタイムは悪いですけど、前半、遅いペースでラクではなかったですし、まだそれほど走りの練習ができていたわけではないので、今の自分ではこんなもんかなって感じですね」

 優勝した大迫傑のタイムが28分35秒47だ。タイムだけ見ると全体的に物足りないが、しかし、神野の中ではタイムとは違う手応えがあったという。

「蹴り上げを意識していて、それは1万m何とかもちました。マラソンのことを考えると、ここでできないと42.195kmできないので、それができたのはレイヤーなどトレーニングの効果が出ているのだと思います」
 
 神野はすっきりしないレース内容の中にも、確かな光明を見つけることができたせいか、「切り替えて頑張っていきます」と、最後は笑顔を見せた。

6月の日本選手権から数日後、この日は都内の施設・スポーツモチベーションでのトレーニングである。前回でレイヤートレーニングの第1クールが終了した。すでに第2クールが始まっており、今回で9回目だ。左右のウォーキングランジをやって、ABCDEというヤマを制覇するのは前回記したものと同じだ。ただ、トレーニング内容が異なっている。

 Aは右手と右足をステップ台の上に乗せ、後ろに伸ばした左足を引き上げる。これを左右50回ずつこなす。きちんと引き上げることができないと回数はカウントされない。

 Bは両手を頭の後ろに置き、片足をステップ台の上の乗せ、片足での膝の屈伸だ。姿勢を正すと腰への負担が大きく、神野も「これ、腰にくるー」と声を漏らすほど。やや前傾姿勢でもOKだが、キツさはさほど変わらない。これを左右50回ずつ。前回は回数が20回でスローペースだったが、今回は通常ペースで回数が増えて、体にかかる負荷はむしろ増している。

 Cは片足をステップ台の上に乗せ、片足をトレーナーの中野ジェームズ修一に補助してもらった体勢で1分間静止する。つらくなり、手がステップ台につくと時間のカウントを停止。他のトレーニングよりも幾分ラクに見えるが、これが「意外とキツい」と中野は言う。

1/4ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
10月5日(木)発売

定価 本体1,593円+税

フィギュア特集
『羽生結弦 いざ決戦のシーズン』
■オータムクラシック2017
■宇野昌磨、本田真凜ほか