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流経大柏が9年ぶりV 日大藤沢に“落とし穴”…決勝弾を呼んだ「土壇場の変化球」

8/4(金) 21:43配信

Football ZONE web

石川のスローインから先制弾、「前にスッと入ってトラップして打とうと…」

 相手にとっては、思わぬ落とし穴だった。

 コーナーキックやフリーキックでロングボールをゴール前に飛ばし、タッチラインに逃げてもロングスローで強襲する。そんな攻撃が続くなか、突然、ロングスローが少し短めに飛んだ。相手が短いと思うと同時に「来た」と待ち受けていた男がいた。

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 全国高校総体(インターハイ)は4日、ユアテックスタジアム仙台で男子サッカー決勝が行われ、流通経済大学付属柏(千葉)が1-0で日本大学藤沢(神奈川)を破って9年ぶり2度目の優勝を飾った。

 決勝点は、試合終了間際に生まれた。流経大柏がパワープレーで攻勢に出た場面だ。左からのロングスローで混戦からMF熊澤和希(2年)が放ったシュートは、相手に防がれた。しかし、直後に右からのスローインが熊澤に届き、冷静にトラップしてシュート。勝利を決定づける先制弾を突き刺した。

 右サイドのロングスローは、先発したDF三本木達哉(3年)が投げていたが、交代した後は先発したMF石川貴登(3年)がDFに入って投げていた。熊澤は決勝点の手ごたえについて語る。

「他の選手のスローインは(長い距離を)飛んでいたけど、あの(石川)選手だけは、それほど飛んでいないなと思って、前にスッと入ってトラップして打とうというイメージがあって、ちょうど良いところにボールが来た。最初のチャンスは、余裕がなくてコースが甘かったけど、2本目はトラップして余裕があった。ファーが空いていて、GKが真ん中に立っていて、相手選手で(死角に)隠れていたので、カーブをかければ入るんじゃないかというイメージで、GKも反応できていなくて良かったです」

「土壇場の変化球」を予測できたゆえの一撃

それまでのパワープレーで「頭を越されてはいけない」というイメージを与えるには十分だった。しかも、流経大柏は、大型センターバックの関川郁万(2年)が得点王争いを繰り広げていたこともあり、関川が走り込むミドルとファーを相手選手も気にかけていた。

 日大藤沢の主将・安松元気(3年)は「ゴール前で一瞬だけフリーにしてしまったところで決められた。もっと長い距離で(スローインが)来ると思っていたので、跳ね返す自分たちが少し後ろに構えてしまった。ロングスローの対策が曖昧だったのかもしれない」と失点の場面を悔やんだ。

 石川のスローインが、「土壇場の変化球」となり、予測のできた熊澤が試合を決めるゴールを奪った。熊澤は準々決勝の長崎総合科学大学附属(長崎)戦でも、相手GKのわずかな隙を突くシュートで決勝点。2試合とも途中出場で大仕事を成し遂げた。

 機転の利いたプレーで勝利を呼び込む力は見事の一言。大会優秀選手には選出されなかったが、「MVP級」の活躍だった。

平野貴也●文 text by Takaya Hirano

最終更新:8/4(金) 21:48
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