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【ジョジョ連載】三池崇史監督「“スタンドは視覚化しなくてもいい”荒木先生の言葉がスタンドの実写化を大きく動かした」

8/4(金) 22:10配信

ザテレビジョン

山崎賢人主演映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」がいよいよ8月4日(金)に公開される。シリーズ累計1億部を突破し、世界的な人気を誇る荒木飛呂彦の人気コミックの実写化だけに注目度も高い本作。公開までWEBザテレビジョンで集中連載してきたキャスト、監督によるリレー・インタビュー。最終回となる第4回に登場するのは、この映画の現場を先頭に立って引っ張っていった三池崇史監督である。

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■ 荒木先生の言葉が、ジョジョだからこその縛りから解放してくれた

――まず、『ジョジョの奇妙な冒険』にスタンドは欠かせない存在ですが、どうやって実写化しようと考えたのかが気になりました。

「ただね、荒木(飛呂彦)先生の発想は、“ジョジョにはスタンドが出ると誰もが思っているかもしれないけど、出さなくていいんんじゃない”だったんですよ」

――スタンドを出さなくても、成立すると?

「そうはいかないんですけど(笑)、荒木先生のベースにあったのは、『なぜ、スタンドを出してジョジョの物語を進めないといけないのか』。多分、“ジョジョと言ったら、スタンドですよね”といろんなスタンドを出したほうが原作ファンも喜ぶだろうという方向に行くのを警戒したんだと思います」

――スタンドという存在だけが際立つ作品ということですか。

「スタンド合戦というか。映画の人達はそっちに行きがちじゃないですか。そこで冗談なのか、本気なのか“スタンドは出さなくていいと思いますよ”と。でも、そうなんですよ。視覚化しなくてもいいという感覚は自分の中にもありました。スタンドが見えるのはスタンドを使える人だけですから。僕らはスタンドを使えない人ですよね?」

――その通りです。

「観客もスタンドを使えない人が多い」

――多い?

「1000人観たら、1人ぐらいは“俺には見えたよ”という人がいるかもしれない。スタンドは使えなくなくても、イメージで見える人もいると思うんです。今、スタンドがいたように感じたとか」

――スタンドがどういうものなのかは漫画に描かれていますからね。

「子供のような心で観たら、スクリーン上に存在するかもしれない。そう考えると、スタンドがいるように見せる撮り方もできる。ある意味、荒木先生が言った大胆だけど普通のことが、ジョジョだからこその縛りから解放してくれましたね」

■ スタンドと仗助は一緒に映っていいカットと映ってはいけないカットがある

――結局、スタンドを実写化することになったわけですが。

「だから、見せ方かなと。最初に仗助が不良達に使うクレイジー・ダイヤモンドは速過ぎて見えないでしょ。最初からちゃんと分かるように見せてしまうと、人間と同じスピードになるからです」

――それではスタンドの凄みが伝わりにくい?

「そういうことです。ただ、自分にとって一番難しかったのは、スタンドと仗助などスタンド使いの動き。例えば、スタンドが闘っている時に仗助は何をしているのか。スタンドは『一心同体のものであるが別のものである』ですよね。そうなるとスタンドと仗助が一緒に映っていいカットと、映ってはいけないカットがある。仗助の思いでスタンドが動く時は仗助はいらない。スタンドが殴られたダメージを仗助が傷ついた姿でカットバックする。引いて撮る時にはスタンドと仗助が一緒の動きをする。でも、ひとつ展開を間違えば、大変なことになってしまうんですよね。違和感というか、余分なものを見せることになる。そういう意味では、撮影前に絵コンテを作るのは削ぎ落とす作業でしたね。その間にスタンドとスタンド使いが、なぜそう動くのかという役割がシンプルに見えてきて、その段階から自分は面白さを感じていました」

■ シッチェスでの撮影は世界観の構築と役者同士の魂の闘いに大いに役立ってくれた

――そして豪華なキャストが揃いました。

「そこは、荒木先生が人生を賭けて線と活字で描いてきた宝物『ジョジョの奇妙な冒険』があるからこそですよ。この漫画の凄さが山崎賢人、新田真剣佑との新たな出会いを導いて、神木隆之介、山田孝之を引きずり込んだ(笑)と思っています。しかも、この漫画は実写化していく間も強烈な軸になってくれました。映画的に“今はこういうストーリーのほうがウケる”“ビジュアルはこうしたほうが時代に合う”という声に全くブレなかったというか。漫画の第4部が登場した瞬間の空気を描き出せたと思っています」

――『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』の空気感には、ロケ地であるスペイン・シッチェスの町の影響も大きいですよね?

「そうですね。ジョジョを撮るために1カ所に集まったキャストやスタッフが一緒に晩メシを食べて、朝が来たら現場に入っていく。役者は東京にいる時のように日常に戻ることなく、仗助は仗助、形兆は形兆のまま過ごしていたと思います。それが世界観の構築に繋がって、完成した作品の中でもキャストが背景とハマって見えた理由じゃないですか。しかも、役者同士はいい距離感を保ちながら、ライバル心を抱いて、現場では魂の闘いの見せてくれましたね。

■ 実写化できる第4部の物語はまだまだある今回描いたのは単行本1巻と20ページくらいだから

――続編も気になりますが。

「普通、漫画の実写化では短くても単行本4巻分のエピソードを2時間で描きます。でも、この映画は第4部の単行本1巻と20ページぐらいかな。それなのに内容は盛りだくさんでしょ。『ジョジョの奇妙な冒険』という漫画には、ほかの漫画にはないテンポがあるんですよね。多分、漫画を読む時間とそれを実写化した映画の上映時間が一緒なんじゃないですか。これは漫画実写化初だと思います。そういう意味では実写化できる物語はまだまだあります。ただ、これから続くかどうかは漫画が読者によって続いていくのと同じように、観客が最終的には決めるものだと思っています」

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