ここから本文です

「古賀・菅連合内閣」が安倍改造内閣の本質だ、後藤謙次氏が解説

8/4(金) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 安倍晋三首相は8月3日、内閣改造を断行した。誕生した「第3次安倍再々改造内閣」は「安全運転最優先」の印象が強いが、果たしてどうなるのか。政治コラムニストの後藤謙次氏に解説してもらった。

 内閣支持率の急落を受けて再起を目指し、8月3日に誕生した「第3次安倍再々改造内閣」は、その顔触れから事実上の「古賀・菅連合内閣」と呼んでいいかもしれない。官房長官の菅義偉(68)と、自民党岸田派の実質的なオーナーである元幹事長の古賀誠(77)の影響力が色濃く反映されているからだ。

 「今回は菅ちゃん(官房長官)がよく頑張ったよなぁ」

 改造前日の2日夜、古賀は東京・新橋のすし店で、気の置けない知人たちに囲まれて上機嫌に語った。テレビでは翌日に予定された内閣改造と、自民党役員人事の速報が流れ、岸田派の議員の名前が続々と登場していたからだ。

 岸田派会長の岸田文雄(60)は希望通り、外相から政調会長に転じて自民党執行部入り。閣僚人事では法相に上川陽子(64)、文部科学相に林芳正(56)、防衛相に小野寺五典(57)、1億総活躍担当相に参院議員の松山政司(58)の4人を送り込むことに成功。岸田派にとっては、岸田が「ポスト安倍」をにらんで大きな足掛かりをつかんだと同時に、「満額回答以上」(岸田派幹部)の閣僚誕生により、政権内での発言権も格段に拡大した。

 そして、閣僚の顔触れで目立つのが菅に近い議員たちの存在だ。その象徴が国家公安委員長兼防災担当相の小此木八郎(52)と地方創生担当相の梶山弘志(61)。2人とも菅が師と仰いだ元通産相の小此木彦三郎、元幹事長の梶山静六の息子で後継者だ。

 外相の河野太郎も麻生派に属するが、むしろ神奈川県内の政治を差配する菅の影響を強く受ける側近議員と見ていい。石破派からただ1人、農水相で入閣を果たした斎藤健は、元経済産業省の官僚出身ながら自民党農林部会長を務め、菅と共に農業改革の先頭に立ってきた“隠れ菅派”とも言われる。

 今回の人事で総務相に就任した野田聖子(56)も、菅と深い因縁がある。

 野田は1998年の自民党総裁選で、元首相の小渕恵三を相手に立候補した梶山静六を、菅と共に支援した数少ない議員の1人。さらに、野田の後見人的な立場にいるのが古賀である。つまり、野田の入閣からも、菅と古賀の周到な連携があったことがうかがえるのだ。

 もちろん、首相の安倍晋三(62)も野田のことを嫌っているわけではない。安倍と野田は、93年の衆院初当選組でいわゆる同期。野田は安倍に苦言も呈するが、早くから「義を見てせざるは勇無きなり」と漏らすなど、さっぱりした性格も手伝って「友達意識」も同居している様子だ。

 野田の入閣に関しては、事前に話し合われた形跡があり、その過程で野田はポストについて要求を出している。総務相に加えて女性活躍担当相を兼務するのも、野田の要請に応えたもの。今回の入閣により、野田は再び「女性初の首相の座」を手にする可能性も出てきた。

 安倍にとっても野田を取り込むメリットは決して小さくなかった。

 まず何よりも、“反安倍”の急先鋒である元幹事長の石破茂(60)と分断させるという意味は極めて大きい。さらに野田が、党派を超えた女性議員の“ボス的”な存在であり、女性議員への影響力という意味でも無視できない。

1/3ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

特集 自衛隊 防衛ビジネス
本当の実力
特集2 支持率低迷で正念場
徹底検証アベノミクス