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「アドラー心理学」を学べば生き方が変わる

8/4(金) 15:00配信

東洋経済オンライン

アルフレッド・アドラー自身の原著に立ち返り、『アドラーをじっくり読む』を書いた哲学者の岸見一郎氏によると、「アドラー心理学」には誤解も多いという。

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 ──それほど誤解だらけなのですか。

 共著の『嫌われる勇気』は今月豪州で英語版が出て、日本、韓国、台湾、中国、タイそれに豪州の合計で、刷り部数は420万を超えた。このヒットを受けて、アドラーの関連書が矢継ぎ早に出版されたが、必ずしも原典を読まず、内容をきちんと知らずに書かれた本が少なくない。それを正していきたいとの思いがある。

 ──主な著作15冊のうち、この本では13冊の内容に触れています。

 アドラーは文章を書くことに執着がなく、仲間や患者たちと話すことに関心があって、編集者やライターがまとめた著作が多い。

■アドラー心理学は未来を見る個人心理学

 ──第1章は全体を俯瞰できる『個人心理学講義』です。

 彼自身がアドラー心理学と言ったわけではなく、欧米ではアドラー心理学ではなく「個人心理学」の名称表現が一般的だ。

 ──個人心理学? 

 個人はアドラー心理学にとって重要なキーワードだ。理性と感情、意識と無意識、精神と身体といった具合に、分割して二元論的に考える心理学が一般的なのに対して、アドラーは個人は分割できないとして、全体としての人間を扱う。

 卑近な例で、たとえば「ついカッとして」という表現が使われ、感情だけに責任を押し付けがちだが、そういう立場をアドラーは取らない。目的があって、全体としての人間はその達成のために怒りの感情をつくり出す。そういう意味で、怒りの感情がさせたものとの責任転嫁はできない。感情をつくり出しているのは一個の自分であり、責任の所在は感情だけにはない。

 ──個人の独自性という視点もあるのですね。

 個人をまとめても意味がない。一人ひとりの個性を記述的に扱う心理学という意味合いになる。つまり、誰と特定できない一般的な分析に終始しないのが個人心理学の特徴だ。個人心理学という表現に内実が込められている。

 ──目的論的なとらえ方を採り、フロイトとたもとを分かった……。

 科学では原因があって結果があると考える。

 こんな日常の例はどうだろう。喫茶店でいっちょうらの背広が汚された。カッとして店中に響き渡る声を出す。この際、汚されたのが原因で、大きな声はその結果だと見るのが普通。そう考えず、アドラーは大きな声を出すことで、目的を達成しようとしていると考える。相手に謝罪をさせる、あるいはクリーニング代を出させるとか……。その目的があって大きな声を出したと。

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