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問われない首相の任命責任の軽さ --- 中村 仁

8/5(土) 7:05配信

アゴラ

閣僚以下は給与返納や停職

安倍内閣の改造人事が決まり、何人かの閣僚は在職中の失態の責任を問われました。内閣改造を待たずに辞任した稲田防衛相について、安倍首相は「任命責任は私にある。厳しい批判は真摯に受け止める」と明言していました。首相はどのような責任の取り方をしたのでしょうか、するのでしょうか。

おやっと感じたのは、陸上自衛隊の日報の隠ぺい問題で辞任した稲田氏は給与の一か月分の自主返納、黒江事務次官、岡部陸上幕僚長らは停職ないし減給という処分を受けました。給与の「自主返納」という妙な表現は、返納の規定がないので、「自主的に国庫へ返納する」ということでしょう。規定がなくても、最高位にある者は、このような責任の取り方をすることが民間企業では多くあります。

首相が「任命責任」を果たすというからには、少なくとも、自分が任命した閣僚を更迭、解任することが必要です。それならば、任命責任を果たすために厳しい措置を取ったということになりましょう。今回の場合は、稲田氏自らが辞意を表明し、辞職したのですから、解任ではありません。稲田氏が辞表を出しても、首相が受けとらないことができます。その上で解任しようと思えば、形としては厳しい措置にあたります。

分かりやすい失態ほど処分は重い

前国会対策委員長の竹下氏は「大臣を辞任し、一番重い責任の取り方をした」と誉めました。もっと重いのは議員辞職です。スキャンダルでバライエティ番組を騒がせた議員が議員辞職や離党に追い込まれるケースが目立ちます。分かりやすいスキャンダルほど重い処分を受け、政治的に重大な問題を起こした人物ほど軽い処分で済むという逆転現象です。

稲田氏は以前から防衛庁・自衛隊の統率能力、国会答弁能力のなさが批判されてきました。都議選の応援演説で、支援候補に対し、「自衛隊として、防衛大臣としてもお願いする」と述べました。それでも、政治信条、思想が似通う稲田氏の擁護を首相は続け、内閣支持率の低下の一因となりました。閣僚の解任となると、波紋が大きくなるので、無難な辞任という道を選んだか、選ばせたのでしょう。

首相が「任命責任は私にある」といえば、野党はそこまで追い込んだと満足し、メディアもそれ以上は追及しないのはどうしたことでしょうか。「首相の人事の責任は重い」(毎日新聞)、「任命責任は極めて重い」(産経新聞)など、主要紙は異口同音でした。「責任は私にある」といえば、よその世界では、なんらかの具体的な責任の取り方が伴います。首相の場合は「口先」を動かすだけ終わりのようですね。

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最終更新:8/5(土) 7:05
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