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★領土交渉にエース起用

8/5(土) 9:00配信

中央公論

 日露両国による北方領土での「共同経済活動」実現に向け、日本の官民合同調査団が五月三十日から三日間、北方領土を事実上管轄するロシア・サハリン州を訪問した。共同経済活動は、昨年十二月の日露首脳会談で「平和条約締結に向けた一歩」と位置づけられながら、現地での具体的な動きは初めてだった。
 共同経済活動には、日露双方の法的立場を害さない「特別な制度」の創設が必要だ。両国では一九九〇年代にも同様の議論があったが、法的な問題で折り合えず、頓挫した経緯がある。交渉にあたる外務省は、首脳会談の直後、窓口トップに秋葉剛男外務審議官を据え、対露政策を担う欧州局長、ロシア課長も交代させた。新任の三人はいずれも、条約課長や国際法課長などを歴任した国際法のエキスパート。中でも秋葉氏は、二〇〇二年の日朝平壌宣言をめぐる交渉を担当し、中国課長時代には、日中関係の指針となる「戦略的互恵関係」をまとめた、同省のエースだ。
 領土返還への期待が高まった昨年末の首脳会談で芳しい成果が出ず、外務省としても背水の陣を布いた形だが、ロシア側は「(経済活動は)ロシアの法律に矛盾しないことが条件」との姿勢を堅持。北方領土での現地調査も、当初の「五月中にも」から大幅に遅れた。省内からは早くも、「秋葉氏といえども難航は必至だ」との声が上がっている。
(了)

最終更新:8/5(土) 9:00
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