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「ケニア人と勝負できる」。監督も太鼓判、 井上大仁が世界陸上マラソンに挑む。

8/5(土) 8:12配信

webスポルティーバ

 2005年の世界陸上ヘルシンキ大会で、中国電力の尾方剛(現・広島経大陸上競技部監督)が銅メダルを獲得してから12年。久々の表彰台を目指して、ロンドンで開催中である世界陸上の男子マラソンに、中本健太郎(安川電機)と川内優輝(埼玉県庁)、井上大仁(ひろと/MHPS:三菱日立パワーシステムズ)の3選手が出場する。

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 出場権をかけた代表選考レースでのトップタイムは、今年2月の東京マラソンで井上が記録した2時間08分22秒。現在の男子マラソン界はケニア人ランナーを中心に高速化が進んでいるため、タイムだけを見れば物足りないが、MHPSマラソン部の黒木純監督は「少なくとも、30kmくらいまでは見る側を熱くさせるようなレースができるはず」と、井上に期待を寄せる。

「世界陸上なら、2時間8分、9分台でいけるような準備ができれば、ケニアの選手とも十分に勝負できます。井上には、東京マラソンの前にも『世界と戦うには1km3分ペースではダメ。失敗してもいいから突っ込んでいこう』と話して、その通りのレースをしてくれました。10kmまで突っ込んでから耐えることができたことで、いいイメージが作れたんじゃないかと思います」

 10km以降はペースを落としたものの、38km地点で設楽悠太(Honda)をかわし、日本人トップでゴールした。井上本人は、レース後に「設楽さんを離してから足が動かなくなってしまった」と反省したが、日本男子マラソン界の新星誕生に世間は大いに沸いた。しかし、黒木監督はそんな井上を「東京五輪でメダルを狙える」と入社当初から高く評価していた。

 MHPSには高卒入社の選手も多く、大卒のトップ選手も少ないため、「まずは自分のレベルに合ったレースで日本人トップになること」を目標にさせている。過度なプレッシャーを背負わせることなく実績を積ませ、日本代表を狙う実力をつけさせるためだ。それを体現したのが、2014年のアジア大会(韓国)で銀メダルを獲得した松村康平だ。松村は入社4年目に初マラソンを経験。3回目のマラソン出場となった2014年の東京マラソンで日本人トップとなり、代表の座を掴んでいる。

 だが、山梨学院大で1年時から箱根駅伝に出場するなど、チームの主力として他大学のエースと渡り合った井上に関しては例外だった。入社1年目にして2016年のニューイヤー駅伝のエース区間である4区に抜擢し、区間3位で走り切った姿を見て、本人にマラソン挑戦を打診。それからわずか2カ月後には、リオデジャネイロ五輪の代表選考レースになっていたびわ湖毎日マラソンで、井上をいきなりデビューさせた。

「ハーフマラソンをやらせてからとも思っていましたが、五輪選考会の緊張感を味わってもらいたかったのと、そこで自分の力を吐き出してどこまで我慢できるかを経験させたかったんです。井上は素質が違いますから、失敗しても課題を見つけてくれればいいと。実際に、レース後半で練習の疲労が出て失速し、そのあとケガをしたことから、本人も『土台がないとうまくいかないし、故障もするんだな』ということを実感していたので、そこを改善していけば次は失敗しないだろうと思いました」

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