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左利きの左SBが必要。福田正博が 解説する「利き足」で生じるリスク

8/5(土) 17:20配信

webスポルティーバ

【福田正博 フォーメーション進化論】

 サッカーは”プレーを読む”ことが重要なスポーツだ。守備の時は相手がどのような攻撃をしてくるかを予測できれば失点を防ぐことが容易になり、逆に、攻撃時は相手の予測を上回れば得点チャンスが増える。そこで、相手に次のプレーを読ませないための特別な存在になり得るのが、左利きの選手だ。

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 左利きの選手はプレーのリズムやテンポが独特だが、とりわけ、ボールの持ち方に特徴がある。右利きの選手は、体の正面か右足の斜め前にボールを置くことが多いのに対し、だいたいの左利きの選手は、ボールを左足の真横の少し外側に置いてプレーする。中村俊輔しかり、ディエゴ・マラドーナしかり、アリエン・ロッベンしかり、リバウドしかり……。左利きの選手と同じような位置にボールを置いてプレーしていた右利きの選手は、”ピクシー”ことドラガン・ストイコビッチくらいだろう。

 すべての左利きの選手がこうしたボールの置き方をするわけではないが、右利きの選手が持っていない「懐の深さ」や「独特の間合い」があるため、チーム内に左利きが数人いると攻撃にアクセントをつけやすくなる。アーセナルを率いるアーセン・ベンゲル監督などは、チーム作りの段階で計画的に左利きの選手を2、3人ほど組み入れているそうだ。

 基本的に、左利きの選手は左サイドで起用されることが多いが、アタッカーのポジションでは左右を入れ替えるケースもある。

 左利きの選手が右サイドで起用された場合、縦に抜け出した時に右足でクロスを上げなくてはならないことが弱みになる。左足で蹴るには切り返さなければならず、そのわずかな時間でDFに間合いを詰められてしまう。一方で、右サイドからゴール前にカットインした際には、利き足の左足を最大限に活かすことができる。

 その代表例がメッシだ。右サイドからゴール前に進入し、そのままの流れで左足から強烈なシュートを放つ。相手チームにメッシのようなアタッカーがいる場合は、守備側もDFの左右を入れ替えることもある。実際に、レアル・マドリード時代のジョゼ・モウリーニョ監督は、メッシ対策として左SBにあえて右利きの選手を置いた。左SBが左利きだと、メッシがカットインしてきた時に得意ではない右足で対応することになってしまうからだ。

 ただし、これはメッシというスペシャルな選手を擁するチームに対しての策であって、やはりSBには、右には右利き、左には左利きの選手を据えるのが一般的だ。その理由として、ライン際でボールを受けた時、対峙する相手のプレッシャーを自分の体でブロックできることが挙げられる。

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