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遊び心あるトートバッグでスタイルに「大人の余裕」を

8/5(土) 15:00配信

Forbes JAPAN

持ち物にはその人の品格が出る。良い物には理由があるのだー。

ファッションディレクターの森岡 弘とベテラン編集者の小暮昌弘が「紳士淑女が持つべきアイテム」を語る連載。第5回は、イタリア製のトートバッグをピックアップ。



小暮昌弘(以下、小暮):森岡さんはずいぶんと早くからイタリアの老舗ブランド、エトロに注目されていましたね。

森岡 弘(以下、森岡):1980年代後半でしょうか。初めてミラノへ行ったときに、ブランドショップが並ぶモンテナポレオーネ通りにあったショップを何度も覗きましたね。

小暮:女性の間ではすでにブームでした。

森岡:あの頃って、メンズでもペイズリーのシャツを着るのがある意味トレンド。日本のブランドでも全面ペイズリー柄のシャツをつくっていました。

小暮:イタリアに行くのならば、ご本尊に行かねばとエトロに行ったわけですね。1990年にキーン・エトロがメンズ部門のクリエイティブ・ディレクターに就任すると、そのデザインはさらに加速していくわけですね。

森岡:そうですね。スーツの裏地にカラフルなペイズリーが使われていましたね。シャツの袖口のトリミングにもこの生地が使われていて、センスがよかった。

小暮:イタリア製だからつくりがいいのは当然ですが、エトロのメンズには、そこのウィットが香っていたわけですね。

森岡:その通りです。だから昔もいまも遊び心をキーワードにしたブランドを挙げるときに、エトロは絶対外せないんですよ。

小暮:でもミラノのショップの雰囲気は完全にクラシック。イタリアの伝統が感じられましたね。それでいてメンズの服は遊び心がある。そのギャップがあの時代、新鮮だったのですね。そういえば、2015年のミラノ万博のときには、イタリアの食材をテーマにしたコレクションを発表、最近でもキーンの関心は、さらにさらに、多彩な分野に広がっている感じですね。

森岡:でもいまも昔も変わらぬ感覚は、大人可愛いというテイストです。余裕で遊ぶ。ハズシが洒落ている。それがエトロです。

小暮:そんなエトロで森岡さんが選んだのが、ペイズリー柄のトートバッグですね。

森岡:1986年に誕生した「アルニカ」という丈夫な樹脂コーティング素材を使ったバッグですが、このデザインは新作です。
--{男性がトートを持つ、は日本から}--
小暮:「アルニカ」は、エトロのシグニチャー的なシリーズですね。ペイズリー=カシミール柄は、創業者のジンモ・エトロがインドを旅しているときに出会ったカシミール紋様のショールに触発されて誕生した柄です。そもそもペイズリー柄は古代メソポタミアでは、ナツメヤシの種子を象徴し、渦を巻く葉が描かれ、終わりなき再生、永遠の命のシンボルになっていたそうですよ。

森岡:エトロのペイズリーは、奥行きと深みがある。しかもよく見ると色彩も豊か。それにこのトート、側面にはチェックが使われています。

小暮:ハンドルに付けたロケット型のキーリングもちょっと可愛らしいですね。

森岡:最近、他のメンズブランドでも大人可愛い路線が顕著ですが、エトロはその先駆けになったブランドだと断言できます。

小暮:そういえば、トートバッグというのも大人可愛いアイテムの代表では。

森岡:そうですね。昔はこのデザインのバッグは、海外の男性は絶対に持たなかったものです。トートは女性が持つものでしたからね。

小暮:でも日本では男性も早くからトートを日常的に使っていました。それを海外からきたデザイナーが見て、ランウェイで登場するようになった。日本の感覚の方が早かった(笑)。

森岡::このトートは中にポケットも多数あるので、ビジネスでも使えますね。ペイズリー柄自体は存在感もあるけれど、エトロの場合、洗練されているので、ジャケットスタイルなどに最適。逆にこのバッグから発想してみてもいいのでは。例えば、合わせるアイテムを極端にシンプルにするとか。休日ならば、デニムに白いシャツ、そしてこのトートを持てば、絶対に洒落て見えますよ。

小暮:主張があるのを最大限に利用するわけですね。それが大人可愛いバッグの大きな強みですし、センスの出しどころですね、きっと。


森岡 弘(左)◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ現在に至る。

小暮昌弘(右)◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。1982年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。

Forbes JAPAN 編集部

最終更新:8/5(土) 15:00
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