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日本酒保存のキモは温度管理!美味しく保存するための方法とは?

8/5(土) 16:00配信

HARBOR BUSINESS Online

 独立行政法人酒類総合研究所によれば、日本酒の酒質を劣化させる三大要因は光、熱、酸素であるという。(参照:酒類総合研究所広報誌「エヌリブ」)

 日本酒の劣化は紫外線によって起こる。紫外線は日本酒に対して多くの化学変化を起こすため、紫外線を通しづらい茶や黒色のビンで、日本酒を保存するのがよいとされている。熱に関しては、保存温度が高いほど、「老ね香(ひねか)」と呼ばれる独特のにおいがつき、くどい雑味のある味に変わっていく。また、日本酒は酸素に触れると、急速に酸化が進み品質が劣化する。

 一方、熱に関してはどうか?

 そもそも日本酒には生酒と火入れ酒(熱殺菌済み)の2種類がある。「生酒」は、熱殺菌を行っていないもの。火入れ酒とは、「火入れ」と呼ばれる熱殺菌をおこなったものである。「火入れ」とは、60度~65度くらいの熱を加えて酒中に残った微生物を殺菌し、酵素の働きを止めて酒質の安定化を図るために行う。通常、熟成させる前の原酒の段階で1回、半年程熟成させた後ビンに詰める際に1回、合計2回の火入れを行う。火入れ回数が、半年程熟成させた後ビンに詰める際に1回だけの「生貯蔵酒」もある。

 「生酒」および「生貯蔵酒」の冷蔵は必須であるし、「火入れ酒」も温度管理は必須で、冷蔵が望ましい。「生酒」および「生貯蔵酒」の賞味期限が短いことにも注意したい。冷蔵であっても、賞味期限は「生酒」が3か月、「生貯蔵酒」は1年が目安となっている。

 となると、いずれにしても日本酒を美味しいまま保存するにあたり、重要になってくるのは「温度管理」ということになる。

◆日本酒の冷蔵は、まずはやれることから

 ワインセラーに相当する日本酒セラーを探す前に、やれることから始めてみたい。「生酒」および「生貯蔵酒」の冷蔵は、まずは既存の冷蔵庫を使うとよい。300ml瓶などの小さいサイズのものなら、ビールを置くところや、野菜室で保存すればOKだろう。

 小さいサイズよりも一升瓶(1800ml)の方が、容量あたりの価格は下がるだろうから、一升瓶(1800ml)の「生酒」や「生貯蔵酒」を購入して、300ml瓶などに移し替えてから冷蔵庫で冷蔵するのもひとつのやり方だろう。

「ワンドアの家庭用冷蔵庫」を別途購入して、2台目の冷蔵庫を日本酒セラーとして活用する手もある。価格.comで、1ドアの冷蔵庫・冷凍庫製品一覧を見ると、3万円台から、日本酒セラーとして使えそうな1ドア冷蔵庫を購入できそうだ。

 一升瓶を横にして保管すると、日本酒と蓋の部分が接触するため日本酒が劣化することが考えられる。そのため、「一升瓶を立てて保管したい!」というニーズもある。一升瓶を立てて保管できることを条件に、1ドアの冷蔵庫・冷凍庫製品一覧を見て、探していこう。

◆日本酒専用セラーも登場

 そして、日本酒専用のセラーも開発されつつある。なんと、あの中田英寿氏が提案したことでうまれたものだ。

 2016年5月に日研トータルソーシング株式会社が発表した、元サッカー日本代表の中田英寿氏とのコラボ企画である「モノづくりニッポン e仕事×ReVALUE NIPPON プロジェクト」の第三弾として動き出していたプロジェクトで、2017年4月にはプロトタイプがお披露目されている。ステンレスの扉の中に、-5℃~15℃まで温度帯を変えられる3部屋を用意。四合瓶(720ml)は合計36本、一升瓶(1800ml)で16本を収納可能であるという。

 日本酒全体の国内出荷量は減少傾向にあるものの、特定名称酒(吟醸酒、純米酒等)の出荷量は堅調に推移しており、消費者の志向が量から質へと変化してきているという。また、海外への輸出については、日本食ブーム等を背景に近年増加傾向にあり、平成27年の輸出数量は18180klと、この10年で倍増しているという。(参照:農林水産省資料)

 こうした背景を受けて、日本酒の貯蔵に関連して、専用セラーや小型冷蔵庫も注目が集まってくるかもしれない。

<文/丹羽唯一朗>

ハーバー・ビジネス・オンライン