ここから本文です

イスラエルとビジネスをするなら、すべてが停止する“安息日”に注意

8/5(土) 8:50配信

HARBOR BUSINESS Online

 前回は、イスラエルに行く際「イスラエルに行くのが初めてのビジネスマンに聞かれる質問ベスト3」をお伝えした。読者の皆さんも、行けるイメージが立ったのではないかと思う。さて、いざ行こうと予定を立てようと思ったときにもう1つ避けて通れないことが、イスラエル特有の休日、祝日についてである。まずは、安息日という考え方である。

 いざ、イスラエルのスタートアップに会おうなり、現地のカンファレンスに出ようと思うときには、イスラエルに75%いるユダヤ人の祝日に準ずることになる。

 まずは、1週間に1回やってくる安息日である。金曜日の日没から、土曜日の日没までがその安息日にあたる。安息日については、本稿では、正確で詳細な説明は割愛する。端的に言うと、日本人からは、なかなか信じられないかもしれないが、一つの大きな原則は、一切の活動は、全く止まってしまうということである。

 例えば、電車やバスなどの交通機関、到着時刻から逆算して、16時か17時で全ての運航が止まってしまう。テルアビブは、そうした公共交通機関が止まってもタクシーなどが走ってはいるが、テルアビブ以外のエルサレム、ハイファなどの都市だと本当に車が一切走らないようなこともある。それ以上小さい都市に行く場合などは、なおさら注意が必要である。

 そして、テルアビブ以外では、公共交通機関だけでなく、レストラン、ショッピングモールなどが全て閉まってしまうので注意が必要だ。(ただし、ユダヤ教以外のお店や、ホテルのレストランなどの一部は空いているが、それでも閉まっていることが多い。)

 注意としては、安息日の開始は、日没からなのであるが、日没までお店が空いていないことである。店によっては、14時頃までのお店が多いだろうか。というのも、日没以後、基本何もしてはいけないことになるために、それまでに、子供がいる人はその送り迎え、買い物、金曜夜、土曜日朝昼の食事の準備など、人によっては、週末は必ず家族と過ごすため、国土が狭いイスラエルとは言っても自身の親が住む地域まで帰宅するとなるとそれなりの時間を要する。

◆金曜夜からはすべての活動が停止!

 さて、ビジネスに立ち返ると気をつけたいことは、金曜日にミーティングを入れることだ。

 全く知らないと、フライトやスケジュールの関係上金曜の午後などに、入れてしまうようなことになってしまうが、金曜の午後はMtgを入れても、安息日を死守しようとするユダヤ人であれば、リスケになってしまうことが多いので、避けたいところである。

 安息日を現地のスタートアップの人とともに過ごしたいなどと思わない人以外は、ミーティングは、日曜から木曜の間に入れるのが賢明であろう。

 先ほど、一切の活動が止まってしまうとお伝えしたが、他の事例をあげると、「電話は一切出ない」「運転はダメ」「PCは視ないどころか、電源を入れることもダメ」「料理の火をつけることも禁止→温かい料理はタイマーなどをかけておく」「エレベーターの階数を押すことも禁止→各階に泊まる設定したエレベーターなどがある」などがある。

 あらかじめ知っておくと、「そうなんだ」ということになるが、全く知らないと、トラブルの素になる。彼らは宗教で定められたことを律儀に守ろうとしているだけであるので、理解しておこう。

 そして、安息日ともう1つ頭に入れておきたいのが、ユダヤの祝日である。今年のイスラエルの祝祭日については下記サイトを参考いただきたい。

 イスラエルの祝祭日(ジェトロ https://www.jetro.go.jp/)

 今年といったのは、イスラエルの祝祭日は、ユダヤ歴に準ずる。ユダヤは、太陰暦のため、1か月は29日か30日であるため、太陽暦とはズレが生じる。そのため、イスラエルでは、3年に1回程度、正確には、18年に7回閏年があり、1年が13か月になる年がある。つまり、毎年祝祭日が変わる。

 以前行ったことがあると言って祝祭日を覚えていても、年が変われば、祝祭日も変わる。祝祭日に、アポや連絡を入れても、先ほどお伝えした通り、安息日並みに、何もしない人や、祝祭日の前後になると、イスラエルの国自体が休日モードになり、稼働しなくなるため、国外へバカンス出る人も多い。少し面倒であるが、事前に確認はしておきたい。

 ただ、裏を返してみれば、この日程を外していけば、年末年始や、GW等でも普通に稼働していることが多いので、この安息日と祝祭日を外して出張のスケジュールを立てるのが良いだろう。 <文・加藤清司>

【加藤 清司】

株式会社イスラテック代表取締役。1980年静岡県浜松市生まれ。2006年、「ある技術」に注目しそのルーツを調べ、イスラエルへと旅立ち2か月過ごす。現在、日本を代表するテクノロジー企業を対象に、イスラエルのスタートアップとのアライアンスを支援。2017年1月、『スタートアップ大国イスラエルの秘密』を出版。

ハーバー・ビジネス・オンライン