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日本が「太陽光発電」で遅れをとる根本理由

8/5(土) 6:00配信

東洋経済オンライン

 日本の太陽光発電拡大に向け最大の障壁となるのは、コストではなく場所だ。この問題を克服するカギとなるのが、発電効率を上げる技術革新である。

 2019年稼働予定の作東メガソーラー発電所(岡山県)は、日本最先端の施設だが、原子力発電所1基分の電力を起こすには、その100倍の土地が必要となる。

■日本には土地が足りない

 日本の発電量における太陽光の割合を2割に引き上げるには、どれだけの土地が必要か。作東メガソーラーの1㎡当たり年間72kw時を前提に考えてみよう。

 国土の約65%が森林、約15%が農地であることを考慮すると、非森林・非耕作地の4%を太陽光発電施設に振り向ける必要が出てくる。これは、九州における同様の土地の約3割に匹敵する。これまでの発電効率実績を踏まえると、約半分が必要との試算もある。

 太陽光発電に、かくも広大な土地が必要なのはなぜか。夜間に発電できず、天候によって影響を受けるからだけではない。日本の日照量で発電できる1㎡当たりの電力量が、米カリフォルニア州の半分しかないからだ。

 現在日本で使われている太陽光パネルの多くは、太陽光の14~18%しか電力に変換できない。その結果、日本の総電力における太陽光比率は、わずか4%。新たなパネル設置も減少傾向にある。一方でカリフォルニア州の電力構成は14%に上っている。

■各社が相次ぎ新記録を達成

 とはいえ、技術開発によって発電効率(変換効率ともいう)は上昇しており、これは日本にも恩恵をもたらしそうだ。2016年3月に米国のファーストソーラーが変換効率22.6%の記録を打ち立ててからまもなく、パナソニックがそれに匹敵する効率を達成した。米テスラモーターズはパナソニックと提携し、ニューヨーク州の工場で今秋から住宅用の太陽光パネルを生産する予定だ。

 つい数カ月前には、日本のカネカが26.3%の変換効率を達成し、新記録を打ち立てた。量産化に成功すれば、現在主流となっている太陽光パネルに比べ、4割のスペースが削減できる。

 日本でも太陽光を主要電源の1つとするには、こうした技術革新が欠かせない。1単位当たりの発電に必要な太陽光パネルが減れば、発電コストも下がることはいうまでもない。

リチャード・カッツ :東洋経済 特約記者(在ニューヨーク)