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働きやすさを追求したら「無断欠勤OK」になる

8/5(土) 15:00配信

東洋経済オンライン

■「無断欠勤」がルールの職場!? 

 「出勤日も、出勤・退勤時間も自由」

 「欠勤の連絡をしなくてよい」

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 「嫌いな作業はやらなくてよい。好きな作業だけやればよい」

 著者の武藤北斗さんが経営している水産加工会社のルールである。こんな職場、本当にあるの? 

 のっけから驚かされる。理想主義も行き過ぎて、意識高い系の実験的な試みはいいけれども「生き生き働く笑顔」のうらになにか無理が潜んでいるんじゃ……。などと恐る恐る読み始めたのだが。

 とにかく徹底している。その日出勤するかしないかは各人の自由なのだが、行くか行かないかを連絡する必要すらないのだという。というか連絡は「禁止」なのだ。なぜなら「好きな日に休んでいいよ」といいながら「だけど連絡はしてください」だの「事前に報告してください」だのと言えばやはり管理されているように感じるだろうし、無言のプレッシャーをかけることもできることになってしまって、ルールが形骸化するからだ。たしかに「うちは福利厚生しっかりしてますよ」といいながら実際の有給消化率は低いなどという話はよく聞く。産休とろうとしたら体良くクビになったなどという話もよくある話だ。

 “うちの工場では欠勤の際、電話もメールも一切連絡は禁止ですし、書類の提出もありません。”

 “それでも連絡してきてしまう人には厳しく注意します。これは優しさで言っているのではなく、ルールなのです。連絡はしないと決めたなら、してはいけないのです。”

 なんと「無断欠勤」がルールなのだから、たとえ良かれと思っても連絡するのはルール違反。この工場においては秩序を乱す行為として、むしろとがめられるというのだから発想の転換といってもまだまだ「ほんとうですか?」という気持ちになる。

 「嫌いな作業をしなくてもよい」というのも、それで本当に仕事が回るのかと頭の中が「?」でいっぱいになる。仕事には嫌な仕事だってあるだろう。けれど誰かがそれをしなければならないのは世の常ではなかろうか。

 この工場は冷凍の天然のエビを原料に、むきエビやエビフライなどのお惣菜を作っている。エビの殻をむいたり、串で背ワタを抜いたり、パン粉をつけて揚げたり。さらに計量から包装、箱詰め、出荷、掃除などいくつもの工程があって、それらをすべて手作業で行っている。そのさまざまな作業について、なんとこの工場では従業員にアンケートをとるのだそうだ。好きな作業には○、嫌いな作業には×、どちらでもないものについては空欄にしておく。

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