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自分の父親を殺したい少年と、“殺人計画”にのめり込む少女が出会う――予想を裏切る結末とは?

8/5(土) 11:00配信

ダ・ヴィンチニュース

 第36回横溝正史ミステリ大賞を受賞した逸木裕のデビュー作『虹を待つ彼女』は衝撃的な作品だった。急死した天才ゲームクリエイター・水科晴を巡る物語で、謎解きの興味もさることながら、二転三転する物語の展開に華があり、読者を惹きつけたのである。『少女は夜を綴らない』は、その逸木、待望の第2作だ。主人公の山根理子は、「人を傷つけてしまうかもしれない」という加害恐怖に苦しめられている中学生である。彼女がそんな強迫観念に囚われたのは、小学6年生のときに起きた出来事がきっかけだった。

逸木 裕

いつき・ゆう●1980年、東京都生まれ。学習院大学卒。フリーランスのエンジニア業のかたわら、2016年に『虹を待つ彼女』で第36回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビューを果たす。同作は新人離れした筆力と構成力が高く評価された。本作が待望の長編第2作である。
 

人知れず苦しみと闘う少女。その心に寄り添う必要があった

「加害恐怖は強迫性神経症の本を読むと必ず出てくるもので、苦しんでおられる方は多いのではないかと思います。理子は『自分は生来の人殺しなんじゃないか』という考えに囚われてしまっている。最後に彼女は自分なりの結論を見つけるんですけど、そこに至るまでの心理の流れをうまく固めることができなくて苦労しました。本当に、ゲラの段階でもまだ直すような感じでした。前作は、空洞になっている中心に、既にこの世にいない水科晴という女性がいるという構造で、人間関係は最初から決まっていたんですけど、今回は理子と一緒に最後まで旅をしていかなければなりませんでした。『彼女は今、何を思っているんだろう』と常に考えていなければならなかったんです」

 重荷を背負った主人公が救いを見出せるか否か。そこが焦点となる作品だ。最初から結末のイメージはなんとなくあったというが、いくつかのサブプロットを並行させていかなければならなかったため、その交通整理を行うのが難しかったという。『虹を待つ彼女』では第1稿を完成させてから、納得のいく形に全面改稿したというが、今回の書き直しは2度にわたった。

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