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ニコンフォトコンテスト、世界に訴える3作品が選出

8/5(土) 12:00配信

日経トレンディネット

 2017年に創立100周年を迎えたニコンが主催する国際写真コンテスト「ニコン フォトコンテスト2016-2017」の授賞式が、7月27日に都内で開かれた。地球上から消えつつある文化の存在にスポットライトを当てたり、センシティブで難しい課題を投げかけるなど、「報道のニコン」として古くから多くの報道カメラマンに愛用されたニコンらしい作品が多数寄せられたコンテストとなった。

【関連画像】ニコン創立100周年記念グランプリを獲得したAnnamaria Bruniさんの「Greeting to Sun」

●応募総数は7万6000超、うち45%は29歳以下からの応募

 ニコン フォトコンテストは、「世界中の写真愛好家がプロフェッショナルとアマチュアの枠を超えて交流できる場を提供し、写真文化の発展に貢献すること」を目的に、ニコンが1969年より主催している国際写真コンテスト。第36回を迎えた今回は、“Celebration”(祝賀)がテーマの「ニコン創立100周年記念部門」、“Future”(未来)がテーマの「一般部門」「Next Generation部門」の3つの部門で作品を募集。世界約170カ国から7万6356作品の応募があった。この数字は過去最高となる。

 今回のフォトコンテストは、ニコン創立100周年を記念したこともあり、例年にはない特別な内容を多く設けたのが注目される。まずは、29歳以下に応募が限定される「Next Generation」部門の新設だ。これが若年層に注目されたようで、コンテスト全体の応募者のうち実に45%が29歳以下だったという。ニコン イメージングビジネスユニット マーケティング統括部長の土田貴実氏は「次世代の人にインスピレーションを与える機会となったことを感じ、誇りに思う」と述べた。

上位3賞のうち、最高峰の100周年記念賞を含む2つを女性が獲得

 審査委員長を務めるのは、世界的なアートディレクターであるNeville Brody氏。英国のロイヤルカレッジ・オブ・アート Communication Art & Design departmentの学部長でもある。そのほかにも、フォトジャーナリストやキュレーターなど、世界で活躍する写真のプロたちが審査員を務めた。

 ニコン創立100周年を記念した「ニコン創立100周年記念部門」も設けられた。この部門は、撮影に使用する機材がニコン製品に限られた。この部門で見事にグランプリを勝ち取ったのが、Annamaria Bruniさんの「Greeting to Sun」だ。

 “Celebration”というテーマに沿ったこの作品は、エジプトのカイロに住むBruni氏の友人宅で撮影された。写真の女性は73歳になる友人の祖母。彼女は、日が昇り朝を迎えた時、今日という新しい1日を迎えられることに感謝をし、毎日ここに座って祈りを捧げるという。この作品は「たおやかなるイスラム教への賛辞」と、Bruni氏自身の「エモーショナルな心の動きを表現」しているという。

 一般部門のグランプリは、Tian Yuan Yuanさんの「休/Breaking time」が選出された。

 この作品は、中国のとある村の工場で撮影された。写真に収められた彼らは、決して快適とは言い難い環境で愚痴も不満も言わずに夜から朝まで黙々と働き続けている。Tian氏は、深夜に工場で作業をしている人々の様子を撮影していた。彼らが仕事を終え、朝食を食べているときに窓から日射しが差し込み、この瞬間に巡り合ったという。

 Tian氏は撮影を終えて帰ろうとしていたが、この美しい瞬間を目にして思わずシャッターを切った。「この作品を通して、自分自身も含めて働くことの大切さを伝えたかった」と述べた。

 応募者が選んだグランプリには、Dorte Vernerさんの「Disappearing fishing method by Moken」が選ばれた。

 この作品は、ミャンマーのメルギー諸島を訪れたVerner氏が子どもと一緒に海で遊んでいたときに出会った瞬間である。ほぼ一年中を海の上で過ごす少数民族(モーケン族)の若い青年がボートから魚を捕らえるために銛を打ち込む姿を見て、この瞬間を捉えて世界に伝えなければと感じたという。Verner氏は「モーケン族はわずか2000人ほどの民族。この写真を見た人々に、世界のどこかで消えゆく文化があることを知ってほしい」と述べた。

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