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【元巨人・鈴木尚広に聞く】二塁走者が送りバント空振りで飛び出さないようにするには?

8/6(日) 11:30配信

週刊ベースボールONLINE

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は走塁編。回答者は“足”のスペシャリスト、元巨人の鈴木尚広氏だ。

Q.中学で野球部の指導をしています。二塁走者が送りバント空振りで飛び出さないようにするにはどうすればいいでしょうか?(新潟県・30歳)
A.第1にバッター(の技量)を信用しないこと。どうせアウトになるのならなるべくホームの近くで

 ここで最も大切なことは、バッターを信用し過ぎないということです。ベンチからサインが出てのバントですから、ストライクならば確実に転がさなければいけないケースではありますが、ランナーを含め、周囲のだれもがそう思っていたとしても、バントの構えをしたバッターが明らかなストライクでバットを引いたり(ボールと判断してバントをやめること)、ど真ん中のボールでも豪快に空振りすることは、プロの世界でも大いにあり得ます。

 もちろん、バントを決められないのはバッターの責任ではありますが、ランナーが必ず決めてくるとバッターを信じてしまうと、セーフになろうと気持ちが焦り、一歩目を出してしまうことにつながります。

 二塁ランナーはバッターとピッチャーを同時に視界にとらえられる位置にいますから、ストライク、ボールが丸分かりで、「つい自分なら決める」のような判断を、自分に置き換えてしてしまいがち。ところが、バントをするのは他人ですからね。相手キャッチャーはいつでも刺してやろうと、二塁ランナーの動きを注視していますから、少しでも飛び出してしまうと、迷うことなく二塁へほうってくるでしょう。

 二塁ランナーにとってはたかが一歩のようですが、逆を突かれているわけですから、周囲の人が思っている以上にここから体勢を立て直し、二塁ベースに生きて戻るのは難しいのです。

 打席にいるバッターがバントの名手であっても、そうでなかったとしても、まず、しっかりとバットにボールが当たってからスタートをするんだということを肝に銘じておきましょう。ギリギリまでボールの軌道にバットを合わせておいて、急に引くバッターも中にはいますから、良過ぎるスタートはこのケースに限っては不要です。

 それでも一歩出てしまった場合、キャッチャーが二塁送球のモーションを起こし、戻っても完全にアウトだなと判断がつけば、逆にそのまま三塁を狙うのは手だと思います。キャッチャーの手から離れたボールは、二塁ベースカバーを経由して三塁に送られるわけですから、そこでミスが起こるかもしれない。どうせアウトなら、なるべくホームに近いところでアウトになるのがランナーの基本ですよ。

写真=BBM

●鈴木尚広(すずき・たかひろ)
1978年4月27日生まれ。福島県出身。相馬高から97年ドラフト4位で巨人入団。走塁のスペシャリストで、代走での通算盗塁数132は日本記録である。16年現役引退。現役生活20年の通算成績は1130試合出場、打率.265、10本塁打、75打点、228盗塁。

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