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タブーなき異色の若者向けテレビ局「VICELAND」。“過激”なコンテンツ戦略の向かう先

8/6(日) 12:30配信

WIRED.jp

長らくカウンターカルチャーを扱ってきたメディア「VICE」によるテレビ局「VICELAND」には、リアルな世界を捉えた刺激的な番組があふれている。どの番組も魅力的なのは確かだが、NetflixやHuluといったストリーミング配信サーヴィスが人気を博すなか、旧態依然としたテレビのなかで番組をつくることの意義とは。

2017年のメディアに何が起きるか?

人気料理人エディー・フアンによるストリートフードと旅行に関するパンチの効いた番組、「Huang’s World」のセカンドシーズンが2017年6月下旬、米テレビ局「VICELAND」に帰ってきた。

初回のエピソードは通常より重たいテーマを扱っており、アメリカの厄介な場所を渡り歩いていた。フアンは大統領就任式の日、ワシントンD.C.で黒人が所有する最も古いレストランを訪問。「白人擁護」の非営利団体「American Renaissance」の創始者ジャレット・テイラーに会い、フアンが「ちょっとした北京ダック」と呼ぶプレートをはさんで不吉な政治情勢について話し合った。

自身を「人種リアリズム」の信奉者と考えるテイラーは、自身の思考の枠組みについて理論武装している。彼は肌の色によって犯罪者になる高い確率が存在するという理論を飛ばし、「罪を犯す可能性には明確に遺伝がかかわる部分がある」と、悪意をもって主張する。こうした発言に表情を失ったフアンの顔を見て、彼が口に出さなかった苛立ちと絶望感が感じられた。

フアンはファーストシーズンではジャマイカを訪ねたり、シシリー島で法に触れそうなことをしたりもした。台湾を訪問中には、自身の複雑なルーツに向き合うこともあった。そこでトランプ政権の誕生を支えたであろう人種的な軽蔑と憎しみに直面したことが、どうにも不条理なことのように思えた。

これらは決して受け入れがたいことではあるが、刺激的な瞬間のひとつでもあった。VICELANDの存在を知らしめることになった特徴的なワンシーンだったといえよう。

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最終更新:8/6(日) 12:30
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