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古い大企業の社員にいま必要な「ダークサイド・スキル」とは?

8/6(日) 19:10配信

NIKKEI STYLE

■泥臭いヒューマンスキルに焦点

 ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は日本橋室町のタロー書房を訪れた。三井本館や日本銀行も近い一帯は、隣接する大手町と並ぶ金融街でもある。この店でじわじわ売り上げを伸ばしていたのは、実務家の戦略コンサルタントが企業のミドルリーダー向けに書いたオトナの対人スキル本だった。

 その本は木村尚敬『ダークサイド・スキル』(日本経済新聞出版社)。著者の木村氏は、戦略コンサルティングや投資など様々な形の経営支援を展開する経営共創基盤のパートナーで、本書によれば「歴史がありグローバルに展開している製造業、『古くて大きな会社』の経営支援を主な仕事としている」。多くの「古くて大きな会社」とかかわってきた同氏が、企業のミドルリーダーのために着目したのが、タイトルにもなっているダークサイド・スキルだ。

 ダークサイド・スキルとは何か。カバーの見返しに簡単に例示されている。「人や組織を思うまま動かす力」「空気を支配する力」「『使える人』を正しく見極める力」「嫌われても押し通せる力」……。ロジカルシンキングや財務会計知識、プレゼンテーション力などの「ブライトサイド・スキル」と対比させてある。要は通り一遍のビジネススクールでは学べない「人に影響力を与えたり、時には意のままに操るような、もっと泥臭いヒューマンスキル」のことだ。

■「古くて大きな会社」の会社員に奮起促す

 「古くて大きな会社」で今求められているのは、改善ではなくて改革だ。改革はトップの強い意志で実行しなければならないといわれるが、古くて大きな会社は創業当初のオーナー統治型からサラリーマン統治型へと、はるか昔に移行しており、トップの一言ですべてが決まり、動くようにはなっていない。そこで必要になってくるのが、ひずみやわだかまり、反対運動などを乗り越えて人を動かし、組織に影響力を与え、空気を支配していくダークサイド・スキルだと著者は言う。

 全体は3部構成。プロローグで、ダークサイド・スキルの必要性を説き、パート1で7つのダークサイド・スキルを解説、パート2でそのスキルを身につけ、磨くポイントに言及し、パート3は実践編として、ダークサイド・スキルの実践者と著者が見る松井忠三・良品計画名誉顧問との対談で締めくくる。「店頭に並んでから4週間、じりじり売れ行きが伸びている。40代半ば以降という店の中心客層に刺さった感じがする」と店長の白木行雄さんは話す。最初の入荷分はほぼ売れて、追加注文の本を積み上げたところだそうだ。

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最終更新:8/6(日) 19:10
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