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【セルジオ越後】ペトロヴィッチ監督の解任は妥当だけど、ひとりに責任を押し付けるのは酷だ

8/6(日) 19:32配信

SOCCER DIGEST Web

チームの強化方針にも疑問が残った。

 7月30日、レッズは成績不振を理由にペトロヴィッチ監督との契約を解除した(在任期間は2012年からの5年半)。
 
 今季は開幕戦でマリノスに敗れ、そこから一旦は復調したが、9節のさいたまダービーでアルディージャに完封負け。すると、以後の11戦は3勝1分7敗と失速した。19節を終えた時点(22節のC大阪戦を前倒しで戦った浦和の消化試合数は20)での失点数は、リーグワースト2位タイの「36」。順位は9位まで落ちた。この体たらくを考えれば、監督交代は妥当な判断だった。
 
 ペトロヴィッチ監督はレッズの選手から“お父さん”のように慕われ、戦術家としても優れていた。ただし、レッズで獲得した主要タイトルは昨季のルヴァンカップのみだった。

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 昨季はクラブ史上最多の勝点74を稼ぎ、「年間勝点1位」になったが、チャンピオンシップでアントラーズに敗れ、「リーグ王者」にはなれなかった。いくら選手との絆を深めても、草サッカーチームではないのだから、結果を出せなければクビになる。
 他クラブであれば、この成績でも許されたかもしれない。でも、Jリーグ屈指の人気を誇るレッズの場合は違う。失格の烙印を押されても仕方がない。5年半、勝負どころでとにかく弱かったね。
 
 今季の開幕前、新加入選手の顔ぶれを見た時、「苦戦しそうだな」とは感じていた。即戦力はアルビレックスから獲得したR・シルバくらいで、他にレギュラー陣を脅かしそうなタレントは見当たらなかったからね。現にR・シルバ以外に活躍したと言える選手はいない。優勝を狙うチームのキャスティングとしてはちょっとお粗末だった。
 
 もっとも、新戦力の多くはペトロヴィッチ監督が求めた人材だったのかもしれないが、戦力バランスを考えるのは強化部の仕事だ。その点、チームの強化につなげられなかったのだから、フロントの責任も重いよ。

堀新体制で巻き返せるか。

 チームは監督ひとりで作るわけではない。2006年にリーグ優勝、2007年にACLを制した当時はワシントン、ポンテと超一流の助っ人がいた。ただ、ここ数年は質が落ちていた。
 
 ペトロヴィッチ監督が退いた直後にブラジル人DFのマウリシオの獲得が発表されたけど、遅きに失した感は強いね。タイトルを獲るための準備が万全でなかったと言わざるを得ないよ。
 
 ちなみに同じ失敗は、苦戦が続くサンフレッチェにも当てはまる。森保監督が退任する直前にガンバから丹羽とパトリックを補強したけど、タイミングとして遅かった。“水漏れ”が起きたからやむなく、対処したとしか思えないね。
 
 話は逸れたが、要するに低迷の原因をペトロヴィッチ監督ひとりに背負わせるのは酷だということだ。フロントはチームマネジメントに問題はなかったのか検証すべきだし、選手たちも現状を重く受け止める必要がある。槙野らは「責任は選手にある」と話しているようだが、その言葉を力に変えられるか見物だ。
 
 一方、バトンを受け継いだ堀新監督がどうチームをマネジメントするかは未知数だ。初陣となった20節のアルディージャ戦は2-2で引き分けたが、大事なのはクラブ内に漂うマンネリ感を打破することだろうね。健全な競争意識を芽生えさせ、選手たちのモチベーションを上げなくてはいけない。
 
 ペトロヴィッチ体制の失策として挙げられるのは、最終ラインの固定化だ。どれだけ失点を繰り返してもGKや3バックの顔ぶれは変えなかったからね。ただ、それは主力を脅かすだけの人材がいなかったからなのかもしれない。
 
 その意味で今のレッズは仲良し集団になっているように映る。選手たちから自分がこのチームを変えてやろうという気概が感じられないんだ。ただタイミングとしては、重たい空気を変える良い機会になる。スタメンとサブの垣根を一旦取り払って競争を煽るべきだよ。
 
 多くのサポーターに支えてもらっているクラブなんだから、再び上位争いに絡めるよう、プライドを見せてもらいたいね。
 
 そういえば、レッズに日本代表でレギュラーを張る選手もいなくなってしまった。寂しい限りだよ。8月31日にはロシア・ワールドカップ・アジア最終予選のオーストラリア戦、9月5日にはサウジアラビア戦があるだけに、西川、槙野、遠藤らはリーグ戦でしっかりアピールして、メンバーに入ってもらいたい。

最終更新:8/6(日) 19:36
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