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ふるさと納税 返礼品目当ての「寄付」が非難される理由

8/6(日) 17:52配信

日経ウーマンオンライン(日経ウーマン)

 人生は選択の連続です。たった一つの選択が、その後の人生を大きく左右することも。今回は、私たちがつい引かれてしまう「3つの選択」について、お金のプロであるセゾン投信社長の中野晴啓さんにインタビューを敢行しました。「専業主婦」「宝くじ」に続いて、最終回は読者にも大人気の「ふるさと納税」についてお聞きしました。聞き手は、働く女性のマネー事情に詳しいFPの高山一恵さんです。

【関連画像】なぜ豪華な返礼品に素直に喜んではいけないの? (C) PIXTA


●「返礼品目当ての寄付は本末転倒な行為」

高山さん(以下、敬称略):第1回で「専業主婦」、第2回で「宝くじ」についてお聞きしましたが、最後は、「ふるさと納税」についてお聞きしたいと思います。ふるさと納税については、賛否両論あり、物議を醸しているテーマだと思いますが、中野さんはどう思われますか?

中野さん(以下、敬称略):僕は、ふるさと納税には疑問を感じますね。そもそも、ふるさと納税は、自治体間格差を是正するために、自分の生まれ故郷や愛着のある土地に寄付するのが趣旨だったはず。なのに、返礼品ばかりが注目されて、本来の趣旨を台無しにしてしまった。

高山:ここ数年の返礼品の盛り上がりはすごいものがありますね。最近、各自治体に向けて、総務省から返礼品の規制についてお達しがありましたね。

中野:ふるさと納税って「納税」という言葉は使っていますが、実際は「寄付」じゃないですか。寄付なのに、リターンを求めるのはおかしいですよね。もちろん、誰しも「寄付をしていいことをした」という、「自己満足」というリターンは求めているかもしれません。でも、寄付したお礼に、高級和牛やフルーツなど、品物の見返りを求めるのは本当におかしなことです。

高山:自治体によっては、明確な意思のある寄付金の使い方をしているところもありますよね。例えば、北海道のある自治体では返礼品代わりに寄付金を「原発を再稼働させない」ことに使ったり、熊本地震のときも、寄付金が災害支援に使われたりしました。ヤクルトレディーによる高齢者の「見守り活動」を返礼品とした栃木県小山市の取り組みも話題になりましたよね。

中野:僕もこういう例で、ふるさと納税が使われるのは意義があると思います。

●損得で行動せず、社会への貢献を考えてみよう

中野:そもそも日本人はケチで、純粋に寄付する風習がないんですよね。日本人が年間どれくらい寄付しているか知っていますか?

高山:それ、調べたことあります。総務省の寄付に関するデータによると、日本人の1世帯当たりの平均寄付額は2000円~3000円くらいだそうですね。

中野:そうですよ。1年間にたった2000円~3000円ですよ。アメリカのある団体が調べたところによると、アメリカ人の1世帯当たりの平均寄付額は19万円だそうですよ。

高山:規模が全然違いますね。

中野:マイクロソフトの創業者・ビル・ゲイツやアメリカの一流のビジネスマンを見ると、ものすごい金額を寄付していますよ。寄付という行為は、社会に対する感謝やお礼です。日本人は、権利ばかりを主張して、社会に対するお礼や感謝の気持ちが少ないんですよ。

高山:確かに、自分にとって損か得かに敏感な人は多いけど、社会全体のことを考えて行動する人は少ない気がします。

中野:多くの日本人は、自分に与えてもらうことばかりを考えて、社会に対しての貢献や感謝の気持ちが薄いんですね。専業主婦の回でも話しましたけど、「Give」ではなく「Take」ばかりを求めるのは、みっともないことです。

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