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企業の未来を担うリーダー育成~日立製作所・ヤフー・アイリスオーヤマの取り組み~【HRカンファレンス2017春】

8/7(月) 7:30配信

日本の人事部

次代の経営を担うリーダーの育成が、多くの企業で課題となっている。長い歴史と伝統を持つ株式会社日立製作所・迫田雷蔵氏、歴史は浅いがインターネット業界をけん引するヤフー株式会社・伊藤羊一氏、地方に拠点を置き多角的に事業を展開するアイリスオーヤマ株式会社・倉茂基一氏という、特色の異なる三社のリーダー育成の責任者を迎えてセッションが行われた。司会は、リーダーシップ論を専門とする慶応義塾大学大学院の小杉氏が務めた。

「リーダー」と「マネジャー」の違い

「マネジャーとリーダーは違うが、そう認識していない管理職は多い」と、司会の小杉氏は冒頭で問題を提起した。

「一般的な定義として、マネジャーとは組織上の役職・役割に基づき、主に管理し維持する人です。リーダーは、個人の名前で影響力を与えて周囲を動かします。『革新する』『開発する』という行為につながるのは後者です。経営学者のピーター・ドラッカーはこのように言いました。『マネジャーは“Doing the things right”、正しく行う。“How”を考え、与えられた役割を遂行する。リーダーは“Doing the right things”、正しいことを行う。正しいか正しくないか、“Why”“What”から考える』」

小杉氏は「日本企業はマネジャーは育成してきたが、リーダーは育成してこなかったのではないか」と語る。そこで今回は、リーダー育成の先進企業である三社が登壇。それぞれの取り組みについて語った。

日立製作所・迫田氏によるプレゼンテーション:統一プラットフォーム構築とアサインメント提示

最初に、近年急速にグローバル化を加速している日立製作所の迫田氏がリーダー育成についてプレゼンテーションを行った。

「私たちは、社会イノベーション事業のグローバル展開に注力しています。世界各地で現地に根ざした事業を展開するなど、重心を海外に移しつつある中、従来のリーダーでは世界で伍していけません。そこで、マネジメントの転換に取り組んできました」

最初に、人財戦略の仕組み構築に着手。人財部門自体がグローバルに戦える部門にならなければならないと考え、課題をまとめたという。

「課題の一つは、グループ・グローバルに適用可能な人財マネジメントへの転換。日本と海外を分けずに一本化した制度を作りました。グループ・グローバルに共通するデータベースを作り、グレードを決めて統一。その上に国や事業ごとの取り組みがあります」

プロジェクトを立ち上げたのは2011年。2012年にデータベース、グローバルリーダーの育成プログラムが完成。全世界の5万に及ぶポジションを格付けし、全世界で従業員サーベイが実施され、パフォーマンスマネジメントもグローバルで共通化。2015年には、新しいラーニングマネジメントシステムも構築され、世界中で同じ教育が行われている。

「課題は、グローバルリーダーが圧倒的に不足していることでした。そこで、必要な時に必要な人数を適正なコストで提供できるよう、2012年から新プログラムを導入。リーダーを作り込む発想に転換しました。具体的なポジションを決めて、そのポジションに求められる要件を明確にし、候補者を選抜します。アセスメントを行いながら個別にアサインメントを与え、経過も見つつ育成。これにより、若手の社長も出てきました」

経営層向け研修では、グループ・グローバルで共通したものを提供。新任マネジャー研修では、13ヵ国語で教育を提供している。上の階層は選抜研修と階層別研修に分け、基本的に日本人も外国人も一緒に、英語による研修を受講している。

「大きな変化を認識し、手を打つことが大事な時代ですから、外での経験は大きいと思います。社会イノベーションにターゲットを絞ったのは、当時の会長の川村、グローバルに大きく事業を振ったのは現会長の中西。外での経験豊富なリーダーがターゲットを決めて勝ち抜いてきたことからも、これは明らかです」

経験が必要であると考え、若手1000人を海外に1~3ヵ月ほど送り込む取り組みも実施。その後にアサインメントを与えている、と迫田氏は解説を加えた。

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最終更新:8/7(月) 7:30
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