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その人工知能は、あなたの近所の所得レヴェルを「宇宙から」予測する

8/7(月) 12:27配信

WIRED.jp

衛星写真を使って、ニューヨークの所得水準や都市景観の変化を予測する人工知能「Penny」。人間に予測できない動きをするこのAIは、機械がどうやってわたしたちの世界を理解するのかを知るための助けとなるという。

AIはヒトより優しくなれる

トランプタワーの上にヘリポートを置くことで、大統領のマンハッタンの邸宅に見せかけの豊かさが加えられると思うかもしれない。結局、米国大統領専用ヘリコプター「マリーンワン」で自分の高層ビルに着地するほかには、豊かさを伝えられる方法なんてないのではないか、と。

衛星写真を使ってニューヨークの所得水準を予測し、都市景観の変化を予測する人工知能 (AI)の「Penny」(ペニー)によると、そうではない。直観的なペニーのインターフェイスから大統領の邸宅を見ると、「このエリアは100パーセントの確率で高所得エリアです」と、ペニーは報告してきた。これはとくに驚くべきことではない。

しかし、画面の下部にあるツールバーからヘリポートアイコンを選択してシムシティのようにで屋上にドラッグすると、ペニーはその考えを変えてきた。「あなたの調整により、この地域を低・中所得エリアとして分類し直しました」とペニーは言うのだ。

ちょっと待て。ヘリポートは明らかに富の象徴ではないのか。ペニーはわれわれの知らない何かを知っているのか。それともデータの誤読か。なんにせよ、誰かこんなツールを必要とするのだろうか。

このような質問に答えるには、ペニーがどのような経緯で生まれたかを理解する必要がある。カーネギーメロン大学のコンピュータ科学者であるアマン・ティワリは、ニューヨークの高解像度衛星画像に統計調査データを重ね、ニューラルネットワークを介してフィードバックすることで、ペニーを教育した(彼はセントルイスの統計調査データと衛星画像でも同じことをしたが、各モデルは各都市の家計所得を予測するのみとなっている)。

ペニーは都市景観の視覚パターンと所得を関連づけ始め、オブジェクトとその形状が所得レベルと高い相関関係にあると結論づけた。駐車場は低所得と、緑地は高所得と──といった具合に。ティワリはデータ視覚化スタジオのスターメンとともに、これらの相関関係を調べるためのインターフェイスを作成した。

そのUIを使用すると、野球のダイヤモンドベース、ソーラーパネル、建物などを街のいたるところにドラッグアンドドロップできる。重要なのは、都市をデザインすることではなく、AIに何ができて何ができないかについてさらに学ぶことである。

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最終更新:8/7(月) 12:27
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