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40歳を迎えた女性記者が坊主頭になった理由

8/7(月) 19:10配信

@DIME

40歳は女が死ぬ年齢ではないかと感じる。

2016年11月に“こじらせ女子”で知られたコラムニスト・雨宮まみさんが40歳でこの世を去った。彼女の『40歳がくる!』というコラムの冒頭は“「40歳になったら、死のうと思っていた。」桐野夏生『ダーク』の有名な冒頭の一文である。”で始まる。

【写真】40歳を迎えた女性記者が坊主頭になった理由

■女の苦しみの根源は、女であることなんだよ、きっと

私は40歳になった。20歳から20年間、女性誌を中心に仕事をして、東京に住む女性が何を買って、何に注目して、何に悩んでいるかをインタビューし続けてきた。これはジャーナリズム的な探求心ではなく、締め切りがありページや原稿のおもしろさがランキングされ、つまらなければ切られるという、編集&ライターの仕事だから続けてこられたのだ。

とはいえ、おそらく1万人以上の女性と密接に話すうちに、女性の悩みの根源が、“女であること=出産できること”ということがつかめてきた。

幸せな恋愛・結婚・出産・家庭を切実に求めるのも生殖と出産機能がある女だから。

生殖行為を誘発するために“モテ”を意識した言動や服装をしなくてはいけないのも女だから。

より優れた遺伝子を得るために、遺伝子の相性がいい男性を求めてしまうのも女だから。

しかし現代社会では遺伝子の相性がいい相手ではなく、高収入で容姿がよく安定した勤務先の男性でないと社会ではエバりが効かないことを感じ取ってしまうのも女だから。

男性よりも安くて便利な労働力として使われてしまうのも女だから。

羅列した“女だから”の悩みの根源は、女側が過剰に意識し、自縄自縛しているケースが多い。それは、親からの愛情という名の呪いだったり、社会からの評価依存だったりする。

考え方や体の状況には個人差があり思い通りにならないこともあるだろうが、30代までは自然妊娠や出産の可能性が残されており、それらの呪縛にとらわれているのもいい。

しかし40歳になったら、女から解放されたい。切実にそう願った私は、40歳になったら、女をやめようと思った。そのためには具体的にどうするか。私の性的対象は男性であり、女性と性行為をすることにも興味が持てない。いろいろ考えた結果、坊主頭になることにした。

■嫌がる男性に迫り失恋、女の一時停止がしたい……そうだ、坊主頭になってみよう!

私は男性と飲みながら色っぽい話をして、恋の駆け引きをにおわせるコミュニケーションをとり、フワフワした気持ちを味わうことが大好きだった。しかし、30代後半ごろから、そういう相手が激減してきたのを感じた。人間は同じレイヤーの人といると心地よさを感じるという。かつてフワフワとした気持ちを味わう会話をしてきた男性と、仕事の話ばかりするようになり、それが恋愛的な会話よりも楽しく高い充実感を味わうようになっていった。

39歳の1年間は、それなのに、自分の女の機能を使いたくて、嫌がる男性に無理やり迫るなどみっともない経験を繰り返したが全く後悔はない。あのときの衝動とエネルギーは今もはっきりと残っている。もう終わったと感じた夜、かなり酔いJR神田駅から自宅まで2000m程度の道を歩きながら、“そうだ、坊主頭になってみよう”とひらめいた。あのときにパーッと視界が開けたような気がした。もう、ノリで坊主頭になったといってもいい。

思えば、恋をしていた3年間、女になろうと思って髪を伸ばし、体重管理をし、服を買う時にも相手を思い出していた。昔から女は失恋すると髪を切るという。髪には歳月と未練、女の業が宿ると本能的に感じているからではないか。

そこで、翌日、10年ほど通っている美容院に予約を入れたら人気のあまり予約は2か月後。この間、決心が揺らがぬように、周囲の人に「再来月に坊主になるの」と吹聴しまくっていた。そうでもしないと、丸坊主になれる自信がなかったからだ。

美容院を予約し、決心した2か月の間、女であるうちに機能を使ってみたいと同世代男子をデートに誘うも、楽しい飲み会になって修了した。期限を決めて自分を追い込んでも、切実さがないと恋愛行為は成就しないのだ。

■丸坊主にしたら、暑いわ寒いわで大変だった!

当日も決心は揺らいでいたものの、“今坊主頭にしたらウケる”と思い、ウキウキしながらヘアサロンに行った。10年近い付き合いになる美容師さんは、私のある程度の性格を知っている。事前にSNSを通じて坊主頭にしてほしいことは伝えていたので準備万端だろう。

シャンプーをされながら、濡れた髪の重さを感じ、そこにずしりと生々しい女が宿っているように感じた。これをスッパリ切ると思うと、気分がふわふわと浮き立つように感じた。

美容師さんはキャリアが長い人だが、女性の髪を切るのは初めてだという。直接バリカンを入れず、ショートに整えてからバリカンを入れる予定だったようだが、「もうひとおもいにいっちゃってください」伝えると、3mmにセットしてばりばりと刈り、5分もせずに丸坊主になった。そこから20分以上かけて、頭の形に合わせて毛先を微調整。全体的な髪の長さは2mm程度になった。

会計を済ませて店を出ると、初夏の太陽が頭を直撃。暑い……ものすごく暑い。あわててコンビニに駆け込むと、冷房が頭を直撃して寒い。骨の髄まで冷えていくことが実感できた。薄毛の男性が帽子をかぶるのは、隠したいからではない。外気が辛いからだと痛感した。とにかく寒いし暑いし辛いのだ。それで帽子が欲しくなるけれど、コンビニには頭に巻けるものは売っていない。これから坊主頭になろうとする女性がいるかどうかわからないけれど、美容院に行く前に帽子を用意したほうがいい。そこで私はコンビニを出てタクシーを拾い、一番近いデパートに帽子を求めに駆け込んだ。

40女が坊主頭になった周囲の反応は? 思いもよらぬ変化とは? その2へ続く

文/編集部

@DIME編集部

最終更新:8/7(月) 19:10
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