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「加計問題」と「ロシアゲート」あまりに酷似したフェイク戦略 世界は「印象操作」の時代に入った

8/7(月) 11:01配信

現代ビジネス

 奇しくも日米両国で、国家権力のトップに疑いの目が向けられている。興味深いのは、両トップの「リアクション」までも奇妙なほど似通っていることだ。異文化コミュニケーション論を専門とし、米国の選挙戦略に精通する明治大学教授・海野素央氏が読み解く。

 いま、日本と米国で同時多発的に政権に対する「疑惑」が持ち上がっており、両国の国民はその行方を注視しています。いうまでもなく、日本では学校法人加計学園による獣医学部新設と、安倍総理の関与についてのいわゆる「加計学園問題」。米国では、2016年米大統領選挙における、トランプ陣営とロシア政府の共謀を質す「ロシアゲート疑惑」です。

 これら2つの疑惑には、驚くほど多くの類似点が存在します。そこで本稿では、加計学園問題とロシアゲート疑惑の共通点、またそれに対する安倍・トランプ両政権の対策手法の類似点を明確にしたうえで、両政権の狙いを分析したいと思います。

⑴「フェイクニュース」と「怪文書」

 ドナルド・トランプ米大統領は、自分や政権にとって不都合な情報を発信する米CNN、及びニューヨーク・タイムズ紙等に対して「フェイクニュース」というレッテル貼りを行い、連日のように攻撃しています。トランプ大統領は、ロシアゲート疑惑そのものがこれら反政権的なメディアによる「でっち上げ」であり、ひいては、前回の米大統領選挙で敗れたヒラリー・クリントン陣営並びに、野党の民主党による揚げ足取りや言い訳に過ぎないと主張しているのです。

 一方で、加計学園問題においても、トランプ大統領がとったのと同様の「フェイク戦略」がまず用いられました。疑惑が持ち上がった当初、菅義偉官房長官は5月17日に行った記者会見で、獣医学部新設計画に関して「総理のご意向」と記された文部科学省の内部文書を「まったく怪文書みたいな文書ではないでしょうか」と切り捨て、「この文書は偽物である」との認識を示しました(なお、菅官房長官はこの発言を6月16日に撤回しています)。

 トランプ流の言い方をすれば、「この文書はフェイクであり、報じた報道機関はフェイクニュースメディアである」ということです。ロシアゲート疑惑及び加計学園問題には、まず「政権側が初動対応で、不都合な事実を『フェイク』と断言して葬ろうとした」という共通点があります。

 もっとも、トランプ・菅両氏の「フェイク戦略」の狙いは異なります。トランプ大統領は、大手メディアに対する不信が強い低所得者層や、大卒でない人々、ならびに白人キリスト教右派といった自身のコア支持層を固めることを意識しています。一方、菅官房長官は文書そのものの重要性、および信憑性の低下を狙ったといえます。

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最終更新:8/7(月) 11:01
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