ここから本文です

安倍改造内閣で「財政運営」はどう変わるのか

8/7(月) 6:00配信

東洋経済オンライン

 8月3日、安倍晋三首相は、内閣改造・党役員人事を実施した。

 内閣改造後の記者会見で、安倍首相は新内閣を「仕事人内閣」と命名した。麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官を留任させて政権の骨格を維持しつつ、河野太郎前行政改革担当大臣を外相に、安倍首相と距離を置いてきた野田聖子元総務会長を総務相に起用し、挙党態勢の演出に腐心しているようだ。

 閣僚経験者を多く起用し、初入閣者も経験のある行政分野を担当させるなど、未経験者による失言や失態を防ぐ「守り」の改造となった。これを契機に、内閣支持率の急落をどう跳ね返せるか。今後の政権運営に大きな変化はあるか。

■大きな政策転換は考えにくい

 新閣僚の顔ぶれからは、「政治生命をかけた冒険」は感じられない。内閣支持率を回復させるには、改造前に失われた政権運営の信頼感を取り戻すことがカギとなる。となると、一か八かの冒険的な政策に打って出るのではなく、手堅く支持が得られる地道な政策で信頼感の回復を目指すだろう。しかも、内閣改造前に、来年度予算の概算要求基準は7月20日に閣議了解しており、来年度予算の大枠はすでに決まっている。

 そうなると大きな政策転換は、少なくとも年内には考えにくい。今年の暮れまでには、2018年度に実施される診療報酬・介護報酬の同時改定という6年に1度のビッグイベントにまつわる政策決定も、粛々と行っていかなければならない。

 報酬改定をめぐる利害対立は表面化しやすい時期とはなるが、それを乗り越えて社会保障改革を着実に実施できれば、国民の政権に対する評価も高まる。そこで合意形成にしくじると、内閣支持率も高まらない。まさに今年は、社会保障、特に医療と介護で、重要な意思決定を行わなければならない局面となるだけに、政権として冒険的な奇策で国民の関心を引くことは避けるだろう。

 そして、社会保障、それは広い意味で子ども子育て支援も含んで、そのあり方について、与野党の間での相違も、関心を集める季節にもなるかもしれない。折しも、9月1日には民進党の代表選挙が行われる。選挙期間中には、民進党が新代表の下でどのような政策を打ち出すかも、当然議論されることとなる。

■社会保障や雇用政策では左派的なスタンス

 ただ、民進党は、安倍内閣の政策との違いを打ち出すことに、なかなか苦労することになるだろう。というのも、安倍内閣の政策は、憲法改正などでは右派的なスタンスを露骨に見せるものの、対照的に子ども子育て支援を含む社会保障や雇用政策では、左派的なスタンスをにじみだしている。看板政策の「一億総活躍」でも、そうである。

1/2ページ