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日経平均に一喜一憂する人が儲からない理由

8/7(月) 6:00配信

東洋経済オンライン

■全体相場とNT倍率の相関関係は薄くなった

 過去、日本株を見る場合は、かなり長い間NT倍率(日経平均株価÷TOPIX)が注目された。以前はNT倍率と、日経平均やTOPIX(つまり株式市況全般)との間の、関係は深かった。すなわち、NT倍率が上がるときに相場全般も上昇し、NT倍率が低下するときは相場全般も下落した、という関係だ。

 ピークのタイミングもほぼ符合している。たとえば近年では、NT倍率は2013年5月、同年12月、2015年7月に、それぞれピークを付けたが、そのタイミングで、株式市況全体もピークを打っている。

 なぜこうした関係があったのだろうか。それは長い間、日本の株式市況が、海外投機家による日経平均先物の売買に、振り回されてきたからだろう。海外短期筋が、日本株全体を買い上げよう、あるいは売り落そう、と考えた場合は、個別銘柄を数多く売買するのは大変なので、先物の売買によることになる。株価指数先物の売買は、TOPIXでも可能であるが、売買高が多い方が自身の売買による価格への影響が小さくなるので、日経平均先物を使うことになる。

 このため、海外投機筋が日本株全般を買い上げようとすれば、日経平均先物が先行して買われていた。すると現物と先物の価格が乖離するので、日経平均採用銘柄の現物株が、裁定取引により買い上げられた。この時、日本の投資家の売買高が、海外投資家に比べて相対的に少ないので、そうした海外勢の買いに市況全般が支配され、日経平均先行型で、国内株式市況全体が上昇した。つまり、NT倍率の上昇と株式市況全体の上昇が、同時に起こっていた。

 逆に海外投機筋が、日本株全体を売り込もうとすれば、日経平均先物を売りに回った。これが日本株全般を押し下げたが、売りは日経平均採用銘柄中心にかさんだ。このため、NT倍率が低下しながら、日本株全体が下落する展開となった。

 今見てきたような関係がこれまでのパターンであったが、2016年以降、動きがばらばらになっている。たとえば、NT倍率は、2016年8月に大きなピークを形成したが、その当時はブレクジット(英国のEU離脱)を決めた国民投票を受けた相場の低迷期に当たり、NT倍率と株価指数の動きは、むしろ逆であった。

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