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生理の日は変えられる! 大切な日を快適に

8/8(火) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 「友人が新婚旅行でハワイに行ったけれど、ちょうど月経日と重なって散々だったというの。月経日をずらせばよかったのにと言ったら、『そんなこと知らなかった』って。そういうことは、結婚式のプランナーさんがアドバイスすべきよね」――。こんな話を聞いた。

 人生の晴れの舞台が「煩わしい日」と重なったその女性はとても気の毒だ。一方で「月経日をずらすことを思いつかない人は、意外に多いのかも」と、気になった。

 前後して、さらに驚くリポートを読んだ。

 ロンドン・オリンピックに出場した女性選手が「月経と重なってしまい、記録が出せなかった……」と話したというエピソードだ。これは、産婦人科医の能瀬さやかさんが、国立スポーツ科学センター発行の「Health Manegement for Female Athletes-女性アスリートのための月経対策ハンドブック-」の巻頭言に記している事例だ。

 能瀬さんはこのアスリートの言葉に強い衝撃を受けたとつづっている。「トップアスリートは当然、月経対策を取っていると思っていただけに、実態調査と教育・啓発活動の必要性について考えさせられた」

 能瀬さんらの調査結果によると、2012年5月の時点で、体調を整え、試合のパフォーマンスを上げる目的(コンディショニング目的)で月経周期の調整を行っているアスリートは638人中6.2%。66.2%のトップアスリートが「月経周期をずらせることを知らなかった(考えたこともなかった)」と回答している。

 最高のパフォーマンスを出すために、食事やトレーニング法、睡眠などあらゆる側面から、最新科学の理論に基づいたサポートを受けていると思われているオリンピック選手。そんな彼女たちですら、婦人科的視点からの知識は低く、対策が抜け落ちていたというわけだ。一般の女性が知らなくても仕方ない。

■女性のコンディションに大きな影響を与える月経

 ここまで読んで「月経を自分の都合に合わせてずらすなんて、人工的で不自然なことをするのはイヤだ」と不快に感じた人もいるはずだ。「私はオリンピック選手じゃないから、関係ない」と思った人もいるだろう。でも、本当にそれでいいのだろうか。

 普通の人でも、例えば、受験や昇格試験、大切なプレゼンテーションなど、ここ一番のタイミングに月経日が重なることは避けたいはず。その結果が人生を大きく決定づけるイベントならなおのこと、ベストパフォーマンスが発揮できるコンディションを作るために手を打つことの意味を一度、考えてみてはいかがだろう?

 月経は毎月来る煩わしい期間という以上に、女性の精神面や身体面のコンディションに大きな影響を与えている。

 例えば、月経がはじまる前の1週間余りは、仕事の集中力が落ちたり、イライラしたり、やたらと不安やうつ傾向が強くなったり、眠気が強くなったりする月経前症候群(PMS)があり、約6割の女性が悩んでいる[注1]。PMSは精神面だけでなく、頭痛や乳房痛などの身体的な痛みを感じる人もいる。一方、月経前は問題なくても、月経がはじまると腰痛や腹痛がひどくなったり、吐き気がしたりといった「月経痛」は、7割以上の人がつらさを感じている[注2]。

[注1]2014年ホルモンケア推進プロジェクト調査
[注2]働く女性の健康に関する実態調査結果 平成16年厚生労働省

 このような状態では、冒頭のオリンピック選手のように記録が出せないのは無理もない。一番の損は、対策があること自体を知らず「運が悪かった」とあきらめてしまうこと。「月経をマネジメントできる」方法があることを知り、必要に応じてその「武器」を使う選択をすることは、主体的に生きるための一つの知恵だ。

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最終更新:8/8(火) 7:47
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