ここから本文です

石破茂氏 「戦争経験者に納得頂けるような憲法改正を」

8/8(火) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 支持率急落に直面した安倍首相は、政局の場面転換を図るように憲法改正へと走りだした。秋の臨時国会に改憲案を提出し、来年中に「国民投票」にかけるという“駆け足改憲”だ。

 だが、その内容は政権の公約と大きく違っている。9条を改正して「国防軍」を創設する自民党草案ではなく、9条を残して「自衛隊」を条文に追加するという安倍私案が打ち出されたからだ。自民党草案の9条改正部分の起草委員である石破茂・元幹事長は「改憲議論は粗略にすべきではない」と訴える。

──改憲論議は安倍私案をもとに進もうとしている。国防軍創設を盛り込んだ自民党草案はどうなったのか。

石破:今も自民党の憲法改正案は2012年に党議決定したあの草案のままです。安倍総理の提示された内容は、まだ党で正式に議論されていないし、草案を変える手続きは何もやっていない。

 総理が「よく読め」と仰せだからと読売新聞の記事を読み、総理の考えを忖度して議論を進めようというのはいかがなものか。中には、「草案は野党時代につくったから、ピュアな内容のものを出せた。でも、今は与党になった。政治は妥協だからね」という人もいる。

──若手議員は「草案」を理解できていないし、「安倍私案」も読売新聞で読んだだけ。そんな実情で秋の臨時国会に改憲案を提出とは拙速ではないか。

石破:以前から私は、1日も早く改正したいと考えている。安倍総理も私も戦争を知らない世代だが、空襲の戦火の中を逃げ惑ったり、原爆でご自身が被ばくしたり家族を失ったりされた方々がまだご存命のうちに、納得頂けるような憲法改正をしなければならないと思っている。

 ただし、早く改正することと議論を粗略にすることとは違う。時間がないなら集中的に討論すればいい。私が知る自民党の伝統は、米価の決定や政治改革などで議論が沸騰した時は議員全員で口角泡を飛ばして明け方3時や4時まで議論し、次の日も朝8時から続け、いったん決まったら、異論なしに結束して賛成する。それが党の活力につながった。

1/2ページ