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ペイズリー復活──ウーヨンミ 2018年春夏コレクション

8/8(火) 11:41配信

GQ JAPAN

カルチャー高感度デザイナーの提案とは? 韓国発・ウーヨンミの最新コレクションをチェック。

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パッチポケット付きのグレンチェックのジャケット、同素材をパッチワークしたゆったりめのパンツ。よく見れば、その布の接ぎ合せは、いくつものポケットで成り立っている。すなわちテーラードとワークの融合だ。クラシックなスーツにふさわしい素材で、男の定番であるはずのスーツを、けっしてこれみよがしではなく、しかし、明らかに「普通でない」形にする。ネクタイも、あえて間違った締め方をして見せる。

90年代、韓国で人気を博した同ブランドの前身「ソリッド オム」も、テーラードのバリエーションが得意だった。しかし、その頃のモードな感覚と、このWOOYOUNGMI(ウーヨンミ)とのあきらかな違いは、後者の場合、やはりディテールやシルエット全体に、ユースカルチャーの匂いが漂うところだ。サイドをボタン開きにしたパンツのワイドさや、ウルトラブリーチのデニムのセットアップには、「若さ」が的確に盛り込まれ、創業デザイナー、マダム・ウーとともに働く実娘のケイティ・チャンの存在を感じさせる。

2012年セントラル・セントマーチンを卒業してすぐに、母と同等という立場で、すなわち、このブランドのデザインの50パーセントを共同で担うようになった彼女は、アスレジャーなシーンに造詣が深い。自身もスケートやサーフィンを日常的に行うという人物である。

常に新しい血を入れ替えなければならないことが宿命のファッションビジネスおいて、これほど頼もしい相棒はいないだろう。なにしろケイティは有名デザイナーの娘であるから、ラグジュアリーも身をもって知っている。

バイアス(斜め)使いの英国チェックのシャツ、ドロップショルダーのビッグジャケットの、袖口を少しめくったスタイリング。いずれも今後、他のデザイナーに影響を与えそうな気がする。実際、前シーズン2017年秋冬コレクションで発表したシャツの前立てで遊ぶディテールは、今回いくつかの有名ブランドがエッセンスとして取り入れていた。

今シーズンは、エクストリーム・スポーツの先駆者Z-BOYsの実話映画『ロード・オブ・ドッグタウン』からインスピレーションを受けたと語る。しかし、それは雰囲気でしか感じられない。唯一、それらしいのは、さまざまに登場したペイズリー柄だろうか。

ペイズリーといえば、Z-BOYsがかつて活躍したカリフォルニアのベニスビーチで、今も定番小物として愛されているバンダナの柄である。それが、ジャケットやシャツのプリントになり、デニムコートに手刺しゅうでパッチワークされた。こちらもリバイバルの予感がする。

個人的には黒のコートとベージュのショートチノ=トラッドな感じの組み合わせが好きだった。トラッドとアスレジャーの融合、というのも今後、見てみたい。

Words: Chiyumi Hioki

最終更新:8/8(火) 11:41
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