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行政の責任として、すべての子どもに家庭的環境を―泉房穂 明石市長に聞く(中編)

8/8(火) 11:51配信

政治山

(前編からつづく)
https://seijiyama.jp/article/news/nws20170804.html

全小学校区に子ども食堂をつくり、地域の拠点とする

 子どもへの早期支援の拠点として、明石市はこども食堂を全小学校区に作ります。こども食堂は市内で一カ所ではダメです。子どもが一人で電車に乗って通えません。子どもが自分の足で通える所に、安心できる居場所が要ります。ですから、明石市内の28ある小学校区すべてに、こども食堂的居場所を作ります。

 そのことによって、地域の子どもを地域のみんなが気にして、「ご飯食べに来ないか?」とか、一人ぼっちの子どもがいたら「あそこに行こうか?」とか誘っていく。そうした地域の拠点を作り、気づきの拠点にするのです。ポイントは食べ物ではありません。地域のみんなで子どもに関心を持ち、子どもが自らSOSを発しなければ、「あの子は毎日同じTシャツを着ている」「あの子は何となくやせ細ってきた」、そういった情報を地域で把握し、早期に行政につないでいただく。そのためのこども食堂なのです。こうしこども食堂をすべての小学校区に作ります。

 そして、このこども食堂的な気づきの拠点で把握した状況で、必要があれば毅然と早期に一時保護をします。例えば、お菓子ばっかり食べていてお腹はポッコリ出ているけど栄養は行き渡っていない。こういった子どもについて、「何が悪い」と開き直って、ほとんど家を留守にして恋人の所に通い詰めているというお母ちゃんがいたとします。こうしたケースの時に、明石市が毅然と対応して一時保護したとしましょう。そうした場合、「これ幸い」とお母ちゃんがいなくなってしまうこともあります。

子どもたちへの責任を最後まで果たしていく

 そうすると、行政が早期に関わって子どもを保護した結果、お母ちゃんとも完全に離れてしまうわけですね。この時に明石市が一時保護した後に、山奥の児童施設に入所させてしまったら、本当にそれが子どもの幸せですかと。お菓子ばっかりで栄養不足、愛情不足かもしれないけど、そうはいっても親子の会話はあったかもしれませんし、お母ちゃんの優しい面を知ってはいたと思います。そういった状況にあえて行政が踏み入って、親子関係の断絶につながるような行為をするということは、その分責任が伴います。

 明石市が早期に一時保護するということは、その後の責任を持つことです。その後の責任とは何か。それは山奥の施設にぶち込むことではありません。お母ちゃんがいなくなったとしても、そのお母ちゃんに代わる愛情を子どもに注ぐ。それが里親であったり、特別養子縁組であったり、そうでなかったとしても街中のユニット型の養護施設で過ごしてもらう。これまでと大きく環境を変えずに、かすかな親族関係や友達関係は残せるようにする。

 行政が早期に毅然と対応するということは、子どものその後についてもしっかりと責任を果たすべきなのです。そうすると、里親的な環境整備は必要となります。だから明石市は2年後に児童相談所を作りますけど、今年から本格的に里親のなり手を広げる制度を作っています。少なくとも小学校に入るまでの子どもについては100%、里親による家庭的な環境にするという目標を明確化して、進めている状況です。これは児童相談所とセットなのです。

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最終更新:8/10(木) 10:49
政治山

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