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スポーツ心理学者に聞く「選手に自信を持たせるためにやるべきこと」

8/8(火) 7:40配信

webスポルティーバ

 園田学園女子大学教授の荒木香織氏は以前、ラグビー日本代表やセーリング・シンガポール代表などの現場で、メンタルコンサルテーションという重要な役割を担った。その仕事のひとつに選手や指導者への自信づけがある。チームの勝利のカギを握る”心理的スキル”をいかにして教示したのか。荒木氏が教えてくれた。

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 自信がある選手と、ない選手とがいますが、子供からの成長過程で、周囲が自信をつけるようなことを言ってくれていると違ってきます。引っ込み思案でも、パスやキックなど、スポーツを通じて「できる」という経験を積んでいくと、ピンポイントでコーチから「よかった」と褒められる場面が出てきます。選手が得意なプレーを多用するのは、ピンポイントで褒められた経験が多いからで、それが持ち味にもなります。持ち味を伸ばすのは大切ですよね。

 ただ、結局は自分で自信をつけるしかないんです。「これでいい」という瞬間を積み重ねることが大切で、それが自信になります。あとは、ひとつ、ふたつ学年が上のお兄さん、お姉さんに憧れることも大切です。上級生と同じプレーができたり、チームメイトになったりして憧れが現実になると、確実に自信をつけていくことができるからです。

 もちろん、指導者が何でも褒めればいいわけではありません。成長をきめ細やかに見ることが大切。昨日よりも身体の使い方が上手にできていたら、前よりよくなったね、でも身体の角度をこう変えたらもっともうまくいくよ、というような指導が褒めることなのです。

 さらに、褒めたからといって、その動作を再度繰り返せるとは限りません。選手としては、条件、状況は違うので、もう一回やりたくてもできないことが多い。そこで指導者は、選手の成長を見ながら、プレーがうまくいった、コントロールが上手にできたなどレベルに応じて評価したり、あるいはスムーズにいかなくても取り組もうとした勇気を讃えたりと、褒めるにしても”ポイント”に気をつけること。子供から大人まで、日本代表レベルでもそうですよ。

 自信があるのか、ないのか、それは本人にしかわからないので、私なら、まずはそれを選手に聞きますね。本当に自信がないのか、ただ単に自信がなさそうに見えるのか。だいたいは、本人も何に自信がないのかわからないんですよ。気づいていないので、どこに自信がないのか聞いてあげる。自信とは大雑把な概念なので、具合的に試合や練習のどの場面に対してなのか、あるいはスキルに対してなのか、それとも誰かとコミュニケーションを取ることなのか、を確認していきます。

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