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川内、中本、井上の3人は 「何を考えて世界陸上マラソンを走ったか」

8/8(火) 18:08配信

webスポルティーバ

 気温18度ながら日差しが強いなか、ロンドンのタワーブリッジを午前10時54分にスタートした世界陸上の男子マラソン。日本勢3人は入賞以上を目標に掲げていたが、結果は惜しくも届かず。それでも、今大会を日本代表としての最後のマラソンにすると公言していた川内優輝(埼玉県庁)が、最後の最後まで諦めない走りを見せてくれた。

【写真】女子マラソン、日本は入賞ゼロ。「遅くても強い」米国との違い

 最初の5kmは大集団で、15分57秒とスローな出だしになった。その後、前方で集団を引っ張っていたダニエル・メウッチ(イタリア)に加えて、アマヌエル・メセル(エリトリア)とカルム・ホーキンス(イギリス)も前に出てくると、10kmまでは15分36秒とペースが少し上がる。15kmまでは15分19秒、20kmまでは15分18秒とまずまずの流れになり、26人ほどの大集団ながらペースは徐々に上がっていた。

 そんななか、勝負どころがいきなりやってきた。

 中間地点の手前から、リオデジャネイロ五輪1万m3位のタミラト・トラ(エチオピア)と、今年のボストンマラソンを制しているジョフリー・キルイ(ケニア)が動きだし、そこに今年の東京マラソン2位のギデオン・キプケテル(ケニア)がつく。

 22kmを過ぎると、その3人のトップ争いが始まり、後ろから4人の集団が追いかけるという形ができ上がる。さらに25kmを過ぎてキプケテルが落ちると、キルイとトラの一騎打ちが早々に始まった。想定外ともいえる早い段階での展開に、乗り損ねた選手も多かった。

 日本勢はというと、序盤は大集団の中で後方に位置する中本健太郎(安川電機)をマークするように走っていた川内は、転倒するアクシデントもあり、中間地点では9秒だった先頭との差が、25km通過では1分04秒にまで開けられて20位という状況になった。

「途中で遅れて自分の実力不足を露呈してしまったけれど、沿道から『17位』と声をかけられたので、17位や18位はもう嫌だと思って(世界選手権は11年17位、13年18位)。ひとつでも上がろうと思って前に見えていた選手を追いかけて抜いたら、また前が見えてという形でうまく拾っていけました。遅れてしまった時点で、入賞はきつくても10番は必ずあると思っていました。これまでの海外のレースで10何番に落ちながらも、6番とか7番になった経験は何回もしていたので。気温も上がってきていたので、粘れば絶対に前は落ちてくると思っていました」

 川内はこの大会へ向けて準備を怠らなかった。コースの下見も年末年始に自費で行ない、コースの注意点もしっかり頭の中に叩き込んでいた。また苦手な暑さ対策としても、給水をしてくれる陸連のスタッフに水はしっかり冷やすように頼み、首筋や腕など、かけ水をして体温の上昇を抑えた。スペシャルドリンクもいつもの量からもう一口余分に摂取するなど、必要だと思うことはすべてやったという。

 そんな効果もあって、30kmからのペースを15分55秒、15分58秒と15分台に持ち直すと、35kmで13位、40kmで10位と順位を上げた。ラスト2.195kmもトラを振り切って、全選手中トップの6分41秒で走り9位でゴールした。ゴールタイムの2時間12分19秒は、7位との差を12秒にまで詰めるものだった。

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