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チップセット、プロセッサにAIを組み込む!?人工知能で進化するファーウェイの次世代スマホ

8/8(火) 19:11配信

@DIME

■呉 波氏ってどんな人? インタビューでその人物像に迫る

最近、日本でもP10シリーズをリリースし、勢いに乗る中国のスマホメーカー「ファーウェイ」。今回、ファーウェイジャパン・デバイスプレジデントの呉 波(ゴハ)」氏にインタビューをする機会があったので、ご紹介したい。

【写真】チップセット、プロセッサにAIを組み込む!?人工知能で進化するファーウェイの次世代スマホ

ゴハ氏は今までに50か国でビジネスを担当した経験を持っている。ファーウェイでは世界各国をリージョン(地域)に分割しているのだが、以前、東南アジアを担当していたことがあり、そのエリアだけでもかなりの国の数になったという。しかし、日本と韓国は特別で、ビジネスが難しい市場と位置づけられている。また、ヨーロッパ全体を担当していたこともあり、各国で交わされた最初の契約に立ち会うケースも多かった。それは、凄まじい数であり、激務だったことが推測される。

そんな話をしながらも、僕がボイスレコーダー代わりに使っているビデオカメラが「3Dビデオ」対応であることに気づいたゴハ氏は、「これ3Dビデオカメラですね」と指摘してきた。映像デバイスにも興味があるようだ。根っからのデジタルアイテム好きというわけだ。

ゴハ氏によれば、中国では3D対応テレビは価格も安く、広く普及しているという。ゴハ氏自身も中国の自宅に55インチで4KのLGのパネルを使った3Dテレビを置いていて、だいたい3700元(日本円で6万円ほど)で買えたというから、驚きだ。

その3DテレビでVODを観るのは当然、メールを読んだり、チャットをしたり、ビデオ会議をしたり、ゲームをするなど、まるで大きなスマホのような感覚で使っているのだという。

テレビの値段の安さはコンテンツサービスとセットで販売されているためだと氏は言う。コンテンツのサービスを契約し、毎年支払い続ける(年6000円ぐらい)代わりに、テレビが安くなるようだ。日本で言えば、U-NEXTを契約することテレビが安く買える、そういう構造と似ている。

■ブランディングでのマーケティングが基本戦略

さて、ファーウェイのスマホの話だ。日本ではファーウェイのスマホは「価格が安いわりに高機能」と「ライカと協力したカメラ機能」の2点が武器であるように思える。今後、新しい機能が登場すれば、新シリーズを始めたりするのだろうか? と聞いてみた。

「現在、ファーウェイは日本でP、Mate、NOVAという3つのシリーズを展開しています。Mateシリーズはおもにビジネス向けのモデル、Pシリーズはファッション性を持たせた撮影好き向けのモデル、NOVAシリーズは若者向け、女性向けに出している製品となります。

この3シリーズに加え、ファーウェイのサブブランドとして、オンラインでのみ販売するhonorシリーズがあります。おもに楽天を通して販売しています。

ですので、日本市場に向けてはこの4つのシリーズを軸に展開していきます。今後、何か新しい技術が登場した場合、それぞれ4つのシリーズに取り込んでいくというような形をとりますので、技術にあわせて新シリーズを作ることは今のところは考えていません。

たとえば、Mateシリーズというのは、このシリーズのなかで真っ先にARとVRの技術に対応したモデルです。

また、最近は人工知能がホットな話題ですが、Mateシリーズは世界で初となるAmazonのALEXAに対応したスマホとなります」とのこと。

ブランドを固定し、ビジネス展開することは、ほかのスマホメーカーにないマーケティング戦略だと言えるだろう。これは多品種のスマホを開発できる企業力がないと実現できないことではあるが。

■世界戦略と日本戦略との違いは?

日本に対する戦略と世界戦略には違いがあるのだろうか? これについても聞いてみた。

「ファーウェイはグローバルでも基本的には日本向けと同じ戦略で、マーケットに対して将棋の盤を詰めていくように、緻密な戦略をとっています。これを前述の4つのシリーズでやっているわけですが、例外として海外では「GY」シリーズというモデルも出しています。

これは本当にローエンドの製品なので、日本向けには販売していません。ちなみにGYシリーズのGはゴールド、Yはヤングを意味しています。PシリーズはプラチナのPを意味しています。

また、P、Mate、NOVAといえども、世界市場で販売するすべてのモデルを日本へ投入するわけではなく、日本市場にマッチしていると思えるモデルだけを投入していきます」と話す。

そういえば、僕は個人的にはP9 plusというモデルが気に入っていたのだが、日本市場には投入されなかった。これはP9の大画面モデルだ。これについても聞いてみた。

「世界市場では2016年にP9、P9 plusの販売を開始しました。P9 plusは5.5インチディスプレイ搭載の大画面モデルだったわけですが、当時の日本では同レベルのサイズのモデルがあまりなく、ポピュラーではないと判断して投入しませんでした。社内で日本の消費者にどう受け入れられるか? を検討し、判断しました。受け入れられると思えるモデルに絞って市場へ導入しています」とのこと。その市場にマッチするかどうかを判断して、日本市場に投入したり、しなかったりしているひとつの例であった。

■ライカレンズ搭載機のシェアは?

ファーウェイのスマホの人気はコスパの高い機種とライカレンズ搭載機の2つにあるように見える。なので、日本市場ではライカレンズ搭載機のシェアはどのぐらいなのか? も気になるところだ。これについても聞いてみた。

「シェアについては公表していません。ただ、参考として第3者調査機関のデータを引用させていただくと、昨年、Mate 9を発売した後のデータは、6万円以上の価格帯のスマホのなかで、ファーウェイは64%のシェアがあった(「Gfkデータ 2017.1~2月」より引用)と聞いています」

Mate 9は大画面ディスプレイに加え、ライカレンズを搭載した機種だ。ファーウェイスマホは高価格帯製品においてもかなりの人気があるのは確かなようだ。

■人工知能で加速するファーウェイスマホ

ファーウェイのスマホは自社製で「KIRIN」とよばれるプロセッサを搭載している。そのため、他のスマホメーカーよりも製造コストを下げてスマホを作ることができるわけだが、逆に製品開発サイクルなどの関係で、現在主流となるQualcommのプロセッサとは新製品のリリース時期が異なる。ちなみに、QualcomはSnapDragon835という高性能プロセッサを投入し、そちらを搭載した高性能機が市場で現在、人気になっている。

こういう環境下で、ファーウェイは新生代プロセッサを出すのだろうか? これについても聞いてみた。

「835よりも強力なものを用意しています。実は最近、本社のCEOが発表したばかりです。このとき発表したのは弊社の次世代チップセットとプロセッサを組み合わせたものです。このチップセット、プロセッサはAI処理ができる『AI専用機能』を組み込んだものです」

最近のスマホではAIを使ったユーザーアシスタント機能が注目されているが、チップセット、プロセッサにAIの機能を組み込むというのは一歩進んでいる。

このプロセッサの詳細な資料が欲しかったのだが、この新プロセッサの発表はIoTの会合のために行われたもので、正確、正式な情報はまだ手元にないという。

「もうしばらくすると資料ができるので、お待ちいただきたい」とのことだ。

いずれにしてもファーウェイはスマホにとってAIが重要なものと認識し、その機能をチップセット、プロセッサレベルで搭載してくるというわけだ。次世代のファーウェイスマホの登場が、今から楽しみだ。

取材・文/一条真人

@DIME編集部

最終更新:8/8(火) 19:11
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