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北欧自動車「サーブ」は中国資本で復活するか

8/8(火) 6:00配信

東洋経済オンライン

 かつてスウェーデンの”名門”として知られた自動車メーカーが、中国系企業の手によって再出発しようとしている。

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 それが、サーブ(SAAB)だ。軍用機や航空機を製造する老舗企業の自動車部門として1947年に生まれたが、1989年、経営危機にあった同社を米ゼネラル・モーターズ(GM)が救い、その傘下に入った。

 その後もサーブの苦境は続いた。2008年のリーマンショックにより米系自動車メーカー各社は窮地に陥る。経営破綻に追い込まれたGMもまた、採算の取れなかったサーブを売却した。

■紆余曲折の末、GMから中国企業の手に

 オランダ企業の傘下に入ったり、中国企業の支援を受けようとしたりするもうまくいかなかった。結局2012年、最終的にサーブが身売り先として選んだのが、香港に拠点を置くNME(ナショナル・モダン・エネルギー)ホールディングスだった。

 そしてサーブはEV専業メーカー・NEVS(ナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデン)として、社名とブランド名を一新。来年2018年の第一弾商品発売で再出発する。

 買収から時間が経ったものの、この間EVの量産化に向けた準備を着々と進めてきた。2017年1月には中国でEVを生産する許認可を取得。翌2月には中国の有力電池メーカーCATL(Contemporary Amperex Technology)とバッテリー供給で提携している。

 NEVSとして初めて発売する車「9-3 EV」は6月、上海で行われた家電見本市「CES Asia」で披露された。Wi-Fi機能の搭載やソフトウエアの自動アップデートのほか、スマホにカギの機能を持たせるなど、従来の自動車の型にはまらない姿勢を示した。発売は2018年半ばを予定している。

 販売面でも後発メーカーならではの手法を取る。「ディーラー網を一から整備するのは現実的ではない。個人が所有する車ではなく、カーシェアや法人用リースなどに特化し、ディーラーを持たずに販売する」(営業部門でマネジャーを務めるニコラス・サンデル氏)。

■中国資本でも、開発の中心はスウェーデン

 生産拠点は中国・天津に位置するものの、開発は旧サーブからそのまま移籍した約800人ものエンジニアが、スウェーデンを中心に活動している。販売店を持たないため、開発部門に人的資源を集中させられるのだという。

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