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内閣人事局がぶっ壊した霞が関の秩序 「森友記録」破棄の官僚も出世

8/8(火) 8:00配信

デイリー新潮

 14年に発足した内閣人事局は霞が関の鉄筋コンクリート並みの秩序をぶっ壊してきた。官僚らに何が自身を利するのか卑しく問いながら。「森友疑惑」で木で鼻をくくったような答弁を続けた財務官僚の栄達などは一つの証明である。

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「内閣人事局」が設立されたのは、2014年5月のこと。この組織を政治部デスクに解説してもらうと、

「これまでは各省庁が人事をまとめてきましたが、そのうち審議官クラス以上の約600人について、政治主導で人事を決めるために作られたものです」

 ときに批判にさらされる非効率的な縦割り体質や多年の弊風を打ち破る意味で、あるいは社長が会社の人事権を握ることに異論を挟む者がいないのと同じように、官邸首脳が行政機関の人事を差配するのは当然のことだろう。したがってその方向性は間違っていないわけだが、

「政権が長く続きすぎたことで、その澱みが出てきているのではないでしょうか。局長は政治家の官房副長官が務めることになっていますが、実質的には菅さん(義偉官房長官)が決定権を持っており、その意向が強く働きすぎているようにも感じます」(同)

 文科省OBの寺脇研氏は、

「人事局ができたことで、それぞれの官僚の心の中に、常に官邸からチェックをうけているのではないかという気持がめばえるようになったと思います」

 と指摘する。このことに加えて、選挙を連戦連勝に導き、「軍師・菅」の名を高からしめることで霞が関を牽制・睥睨する手法を前にしては、人事こそ人生最大の関心事であるキャリア官僚はひとたまりもない。まさに「建設よりも破壊」によって力を見せつけてきた、その具体例を見て行こう。

論功行賞

 最初に取り上げるのは、「我ら富士山、他は並びの山」と最強官庁を自負する財務省である。まず、学校法人「森友学園」への国有地売却問題を巡る国会答弁で、「記録は廃棄した」「電子データは自動的に消去される」などと、木で鼻をくくったように対応した佐川宣寿氏について。今夏、理財局長から国税庁長官へ栄達を果たしたが、財務省担当記者によると、

「理財局長からは4代続いての昇格ですが、佐川の場合、直前に関税局長を務めています。これは局長ポストの中で末席なんです。銀行局長や証券局長という役職があった大蔵省時代でさえ、省内では最も低く見られる立場で、以前なら関税局長で終わりでしょう。13年にこのポストから国税庁長官になった例はあるにせよ、あくまでもイレギュラー人事。さすがに佐川も理財局長で退官だと見ていたのですが……。あの国会答弁を官邸が諒とした、その論功行賞以外の何物でもありません」

 裏を返せば、安倍政権に刃向うとどうなるかわからない、その匕首(あいくち)を霞が関に突きつけたということになる。

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最終更新:8/8(火) 12:05
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